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習近平政権・安倍政権の「景気抑制」の相乗の悪効果

2016年08月20日 | Weblog

TMA講師代表:個人研究 「景気」が浮揚しない。なぜだろう。アメリカ経済は、完全雇用の状態に近づいている。それに比べ、中国と日本の経済成長率は低下し、いわゆる「景気」は決してよくない。

第一原因は、中国が低賃金の製造業を主体とした第1次、第2次産業を主体とする経済構造から、1949年の革命以前の第3次産業が牽引する構造改革への移行期にあることによる。だから、中国では建機のコマツなどの不振が目立つ。反対に、第3次産業が牽引する経済のもとでは、日本市場で試された便利品、個人消費品の対中輸出が大きく伸びてきた。だから、中国から撤退する日本企業の数に対し、中国での営業拠点を増やす日本企業の数が史上最高に達している。銀行では、三菱UFJ銀行のUFJが中国ビジネスに強い「三和銀行」の後身なので、「伊藤忠」とともに、中国13億人の便利品の市場での占有率を高めてゆくと思われる。富山県の場合、第3次産業への対応力がある企業の中国進出がまだ本格化していない。

第二原因は、習近平政権のよる宴会ビジネスの禁止という汚職に対する厳しすぎる「作風」による。「反腐敗」運動が、中国共産党員8600万にブレーキをかけ、勇気ある改革者の出現を妨げられている。中国では、国家の軍事にかかわる法制度は緻密なので、外国の重化学工業の製品に依存しないように、国産化率が高めに設定されている。だから、日本企業にとり、中国市場は民用品、特に女性や子供むけの個人消費の商品市場に大きな活路がある。中国では、習近平政権が「強国」思想に染め上げたために、第3次産業の国産商品の相対劣位は、簡単には克服できない。

第三原因は、安倍政権が「景気浮揚」の指標を日経平均の16500円超えにおいているために、逆に、その指標から経済政策を評価され、株価の低下に悩まされている。とくに厳しいのは、外国為替相場が、中国人民元、英ポンドの切り下がりの影響をうけて、円高の基調となったことである。安倍政権の人為的なミスではない。あくまでも他律の要因であるが、製造業主体の輸出産業を本体とする日本経済にとり輸出環境の悪化、さらに、余剰の日本円の日本による海外企業の買収など、日本円による国内投資にブレーキがかかったことである。

こうして、中国と日本の両国政府は、戦略的な互恵関係に成功しないで、民間の日本企業だけが巧みな世界戦略を展開している。そのうえ、日本の民間企業の大勢は、極端な軍事強国が東アジアに台頭することを望んでいないので、習近平政権の「強国」思想、安倍政権の「改憲軍事」路線にも距離をおいている。案外に、蓮舫カードを上手く使えば、日本企業には最適の中国関係の調整が可能だが、同時に、極めて厳しい国内対立の要因となる。従って、親中派の二階幹事長を任命した安倍政治の読みは素人ではない。安倍政治は、株価ではなく、アメリカの完全雇用、中国の構造改革による雇用再編、そして、日本の複雑関数による雇用の最適化である。

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