富山マネジメント・アカデミー

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物流ネックである金沢港と富山空港

2017年08月05日 | Weblog

物流では、富山・石川の県境はない。能登半島は、富山側になってきた。それだけに、航空貨物を扱う「小松空港」は、基調であっる。ドイツとの大型の貨物専用機が定期便として機能しているので、少量・高額の航空貨物に適した電子部品の輸出・輸入の便宜がある。この利便性は、富山にはない。富山には、ANAを通じた沖縄をハブ空港とするルート利用しかなく、石川の企業には、ANA利用も、ドイツ便も双方で利用しやすい。これが、福井となると、航空貨物を利用できる地元物流施設はない。

海の港では、金沢港は、自然条件が悪く、水深が浅いので、より大型の船を着岸させるには、さらなる大規模な投資がいる。超大型の観光船の着岸には無理である。それ以上に限界があるのが、金沢港の港湾職員が、公務員待遇であることだ。それに対し、伏木富山港は、FKKが荷役をにない、輸出入の貨物を近隣まで集配している。都市対抗野球でも有名なFKKなので、富山の野球少年たちが成人となり、港サービスを顧客本位で支えているので、石川県の企業の利用も多い。現場一流、経営三流の典型である。問題は、両港ともマネジメントに限界がある。また、地元に船会社がないため、「着船待ちのマネジメント」となっている。船のメインテナンスのサービス業もない。

鉄道の貨物は、労働運動の結果、荷主の信頼を失い、物流の舞台裏に後退した。しかし、北陸から北海道へは、青函トンネルの完成により、鉄道物流の動脈は、まだ残されている。日産化学、中越パルプの引き込み線、高岡、富山の貨物駅も辛うじて存続している。日本の鉄道は狭軌なので、コンテナがJR貨物にしか使えない。もし、外国航路で用いられるコンテナと対応するサイズなら、と考えられたが、全く無理だとされてきた。労働運動による自己破壊の典型的な「昭和の負の歴史遺産」である。金沢港も同様の匂いがする。

富山・石川の国際物流は、ベトナムと北陸か、タイと北陸か、アセアン諸国への空路と海路の2つのルート改善が必要である。地域内部から物流企業を起こせないならば、台湾の企業との合弁を模索するべきである。台湾は、国際物流に長けた寧波グループの拠点がある。ANAに頼るか、独自の道をたどるか?ともかく、韓国の釜山をハブとする航路の利用を避け、東南アジアへの物流路を模索するには、官公庁が主役でhなく、各企業の物流担当者たちのプロとしての結束が求められる。物流は、野球とよく似たゲームである。自軍の走者をホームベースに送り込むというビジネス野球である。FKKが一皮むけたとき、北陸は変わる。

 

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