富山マネジメント・アカデミー

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危機感が共有できていない富山の企業

2017年11月26日 | Weblog

富山の産業は、重化学工業を主体とし、素材の生産・加工のローコスト効果で生き延びてきた。また、先端といわれる製薬業でも、後発薬の小ロット、ローコスト生産により受託を柱に伸びてきた。ところが、量子コンピューターの実用化の時代に入ると、複雑な計算科学による原子レベルの理論設計や、膨大なBigData処理による多変量の解析が可能となりはじめた。こうした時代が到来しているのに、先端科学技術開発の牽引力が、富山には存在しない。産業技術の面では、相対的にアナログ時代の、ローコストの定型労働により、持続可能な、いわゆる3交代のファクトリーに依存する「バックヤード」部門へと追いやられてきた。

最先端性を欠いていること、そこに危機感が無いと、すでに周回遅れしているレースにおいて、さらに10年の差をつけられることになる、神奈川、埼玉に存在する企業との、技術の落差への危機感が共有できていない。先端工学の知識のゆたかな首長が期待され、リーダーが果たす役割は大きい。

 

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