教えて!TOSHIさん:ブログ版

ライブハウス<T☆ROCKS>のオーナーTOSHIによる、音楽や音楽以外・・のお話!

ライブハウスでの外音確認

2015-12-01 | 音楽的アドバイス

ライブハウスで演奏するにあたって、外音にどこまで関与すべきか?

ほぼすべてのバンド、99%は特に注意を向ける必要もないと思う。

PAさんはプロなので任せた方がベターだと思う。条件付きだけど。

 

なぜかと言うと、おそらく、バンドサウンドの99%は、メインの歌と

ディストーションがかかった、あるいはかからないクリーンなギターの

音、同じくベース、1拍目と3拍目にバスドラが入り、2拍目と4拍目に

スネアが入るドラム、ピアノ、キーボード・・・の編成がほとんど。

となると、作りたい音はおのずと決まってくる。

普通のPAさんなら歌ものなら、歌を基本に、ロック系ならギターも

同じように主役に、ラウドロック系なら暴力的なロー感を強めに・・・等、

もちろんバンドの出すサウンド次第になるけど、しっかり全部の

音を客席に分離よく聞かせつつ、歌も歌詞がわかるように伝えたい。

これをライブハウスならではの迫力ある大音量で体感してもらうのが

基本だと思う。

 

これを当たり前のようにやっているライブハウスがほとんどではある。

(中にはクセのある音を作ってしまう場所もあるかもしれないが)

 

条件があると言ったのは、バンドサウンドのコンセプトが極端に普通とかけ離れて

いる場合。ドラムはキックやタムを使わないとか、ベースがいないとか、インストで

あるとか、ピアノが主役とか、主役がコロコロ変わるとか、極端なシューゲーザー

サウンドとか・・・。

まあ、こういう極端な音を作っているバンドさんの場合は、PAさんも慣れていない

かもしれないので(どれを主役にしていいのかわからない)、客席に出て、

確認してもいいと思う。

 

なので結論を言うと、ほとんどの場合は、よほど変わったサウンドコンセプト

でなければ必要ないと考える。

 

また、それでも外音をチェックする場合、気を付けなければいけないことがいくつかある。

 

まずワイヤレスか、相当長いシールドを使って、客席の真ん中まで行かないと

いけない。よくシールドが足りないので、ステージに降りて最前列で聞いている

場合があるが、これでは正確な全体像はつかめない。どうしても客席の真ん中

あたりを基準にPAさんは音を作る。なので、できれば全体を歩き回って判断

したいところだ。自分もよくリハ中にフロア全体を歩いて確認する。

それでもどうしても「ここは歌が良く聞こえる」「ここはギターが大きめに聞こえる」

などどこでも100%同じようには聞こえないのが現実だ。その中ですり合わせて

作っていくしかない。当然、中音も影響してくるので、ギターアンプの音量が

大きければギター側最前列のお客さんにはギターが大きく聞こえるのは仕方が

ないことになる。

 

余談になるが、サウンドづくりにおいてライブハウスの音の大きさ、と言うのを

把握し切れていない場合もたまに見受けられる。

例えばギターサウンドで、トレブルが強すぎる、またはこもっている・・・などだと、

リハの時に音を出した途端にピンとくる。「あ、これは分離させるのに骨が折れるな」

と。

音がPAによって増幅されるとどうなるか想像して音作りをすることをお勧めする。

 

さて本題に戻るけど、それでも外音を確認する場合に注意して欲しいことがある。

それはなるべくリハの中盤から後半にかけて行ってほしい。

さすがにリハ1曲目の数秒ですべての音を完璧にすることはなかなか難しい。

ま、歌も含め、バンド側のサウンドが完璧で、すぐに本番が出来るくらいの

音を作ることが出来るバンドさんもたまにいるけど、やはり始めの1曲は

一つ一つ各楽器の音を作り、その土台の上に歌を乗せて行く作業をする。

なので、もう初めから、外に立って、歌をあげてくれとかギターをあげてくれなどと

言うのは、PAさんがまだ音作りを終わっていない可能性があるので、

途中からにした方がいい。

また、バスドラをあげてくれと言うのも、たまに難しい場合がある。

それはドラマーのキックペダルを踏む強さが安定していない場合。

これだとレベルを上げるのは簡単なんだけど、強く踏んだ時に大きすぎる

場合がある。強くコンプレッサーをかけてごまかすしかない。

またベースを上げろと言うのも2種類あって、ベースの音自体を大きくすれば

いい場合と、ベースの音は十分聞こえているけど、ロー感が足りない場合も

ギタリストなどは「ベースを上げてくれ」と言う場合もある。

この辺もどういう意味で言っているのか把握しつつ調整していかなければならない。

まあ、こんな作業を瞬時にやっているので、音を出してすぐに判断しない方が

いいというわけである。

 

また、ギタリストはギターを、ベーシストはベースを主に聞いてしまうので、

その辺も鑑みて、しっかり全体を聞くようにしたい。

Voが外に降りる場合もフロアの真ん中まで行って欲しい。

(その際、PAスピーカーの前を通るとハウリングするので注意)

そして、例えば、その際に「少しギターが小さいかな」と感じた場合、なぜそのような

音像になっているのか、考えた方がいい。例えば、Voがあまり声量がなく、PA側も

限界にきている場合、仕方がないので歌に一番影響するギターの音量を抑える

場合もありうる。

そうではなく、歌も声量があり、良く聞こえていて全体のバランスはとても良いけど、

ギターだけが小さく感じられる場合はPAさんに相談するといいと思う。

 

また今までの話はバンドサウンド全体を確認すると言う条件で外音を聞くと言う

話で進めてきたが、目的がそうではなく、自分の楽器のアンプの音量が外音に

悪影響を及ぼしていないかなどを確認するために外に降りるのは有意義である。

 


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