トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

土嚢拾いをするはずが・・・

2021-11-25 | 水辺環境の保全
 上の池のオーバーフロー部、増水の度のドンドンで丸太ダムに使っていた丸太が浮き上がってしまった。採土量が少なく土嚢を数多く作るのも面倒で丸太を積み上げ、両端に土嚢を積んで堤代わりにしていたのだ。当初、漏水が止まらず池の中に土嚢を敷き並べ漏水対策を熱心に行ったのだが、今は堤の幅も広げたので池の中の土嚢を外しても大丈夫だろうと判断し、拾い上げた土嚢を丸太が浮き上がり抜いた箇所へ投入する事にしたのだ。
 腐食し始めた丸太を外し土嚢を詰める事で透水する隙間が減るし一石二鳥なのである。しかし水位の高さまで土嚢を積むと3~40袋は必要な量になりそうで、作業を想うと眩暈がする。この眩暈は山女に逢った訳でも血圧が上がった訳でもない純真な慄きなのであった。

 寒い時期ではあるが覚悟を決め胴長を装着して現場へ行った。池に立ち入って両腕を水中に伸ばさねばならないから、水温が下がりきる前に片付けたかった。ところがである、浮き上がった3本の丸太を排除して土嚢を拾い上げようと池に入ったまでは良かったのだが水底を探っても土嚢は固く落ち着き泥も堆積して袋の端さえ判然としない。こんな状態で2~3袋拾ったところで「焼け石に水」、「深穴に小石」でしかない。結局は「土嚢拾い」は諦め、排除した丸太3本を絞り水の誘導路に使用した。このしきりと法面の間を絞り水を通すことで流れ入ってくる土砂を池中央部に流さずに済むし、丸太の仕切り内で堆積させれば「自然堤防風」になりつつ泥上げする場所と立ち位置が生まれるはずだ。てなもんや三度笠で完成には何年かかるか分からないし未完の堤防になる可能性も高いのだが、まあ、成り行き任せも大事なのである。

 丸太3本を引き抜いた溜まりは土嚢を新たに投入し土砂で隙間を埋めるつもりだけれど、丸太橋が腐食してきたからついでに半割丸太材で更新した。外した古い丸太橋は下手の林接池へ入る林道からの窪みに渡して活かす。腐食してきたとは言え後5年程度は役に立ってくれるはずだ。利用頻度は少ないけれど時折は一輪車を通したい時がある。こんな時に雨水流路の窪みはストレスであって、こういう設えをすると林接池へ他人を誘導するきっかけにもなるので好ましくは無いのだが、作業勝手を考慮すると設置されていると助かるのだ。
 人間、いいえ小生、易きに流れやすいのは水と同じで「小人は下学す」と喝破されたように高みには流れず低きを目指さなくても溜まり淀む。まあ、姥捨て山では日常茶飯事であって、だからこそ姥捨て界なので気兼ねも小金も要らないボッチの世界。時折はコガネムシが寄り添うけれど、もう次の初夏までは居ない。

            更新した丸太橋          廃棄材を再利用した渡し

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