処方されし薬飲まずに留め置きしその考えを誰もが知らず
流行風邪に会うことさえも適はねば痛みに耐ふる声も聞かざる
望みなき介護役なり三月経ち妹の髪白髪を増しぬ
逝きたりと案内を配る丘越えは天地分かたず地吹雪に遭う
納骨を半月後に控えたる奥津城廻り四尺の雪
処方されし薬飲まずに留め置きしその考えを誰もが知らず
流行風邪に会うことさえも適はねば痛みに耐ふる声も聞かざる
望みなき介護役なり三月経ち妹の髪白髪を増しぬ
逝きたりと案内を配る丘越えは天地分かたず地吹雪に遭う
納骨を半月後に控えたる奥津城廻り四尺の雪
土を掘り運ぶきつさに父母想う朝星夜星生業の日々
命日に想いだすさえ薄かりて孝行もせずはや親の歳
歳を経て生家はすでに改まり想うよすがは山並み川辺
郷を出で半世紀なるこの身でも忘れぬ故郷短き月日
故郷に身体髪膚戻せぬ世うつしよなればあの頃は無し
父母祖父母命日忘れ母の歳改めて知る祥月命日
雪しぐれ静寂の中お別れの母の瞳に映る我が影
立ち会えぬ父は小さく身を変えて苦労の浮世脱しけるなり
祖母しるす柱の線の積み重ね一日一筋知るは祖母のみ
除夜の鐘祖父送るよな音引いて雪の山里新年となる
撮影に膝折れぬ友増える会
病得つ来る友来れぬ友憂う
クラス会邯鄲の夢二日間
意地悪も今は懐かし押し問答
マドンナと笑み高らかに校歌なり
竜宮城消えて今日から塩握り
大寒波車も止まる猛吹雪悲報に走る臨終の床
義兄の身は内憂内患内戦の戦士を終えて旅立てるなり
雪の郷縁遠ければ着る服の間に合うもなく列車で向かう
雪の夜は音も聞こえず冷えつのる義兄小さき棺に静か
哀しくも懐かしくあり義兄送る最強寒波豪雪の中
鉛色雪の空色懐かしく零度の道をお斎に向かう
故郷は遠い記憶の彼方なりこの風景は他人の空似
仏壇の前で寝た夜忍び泣く添い寝る母の寝息に寝入る
開け放ち畳で昼寝る父母の午後の畑は星の出るまで
稲を刈る手を休めては遠く見る昼餉を背負う母は点でも
田の泥を洗いつシジミを漉き採りし小川もう無く田んぼは宅地
馬小屋にありし不浄は恐ろしき馬の鼻息尻を這いおる
何ゆえか生家石垣思うとき切なき思い老いの身にくる
激しかり外の水音夜とともに響いて寝れぬ天井高し
大鍋で食器を煮るや囲炉裏端ヒゲの爺さんキセルと鎮座
よろい戸を抜けて板の間広きかな囲炉裏水屋に風呂場一望
新雪のハッテの怖さ知りたるは囲炉裏で聞いた祖母の話か
苦し日に撫子は咲く惨害列島
報奨金男子は多い玉二つ
撫でし子も今は王者となりにけり
陽は斜め家に囚われ夏は消ゆ
床上げに地下足袋届く友の情
トンボ産む水辺を見ずに冬となり
泥水地で虫の餌用の田植え?をしていたら、おチビちゃん一行が来た。声を掛けたら一人だけ降りてきて植えてくれた。やってみようとする姿勢が嬉しい。
小生の生家は魚沼の稲作農家だったけれど、この年齢で田んぼには行っていないだろう。農作業の記憶は小学校高学年の頃からである。
この子にとっては、いっそう記憶に残らない活動だけれど、「成長発達」の基盤の一砂になっていく事に間違いない。手つきを見ていると、若い頃に職業として活動していた頃の思いが蘇ってきた。これも遠い記憶だ。
せっかく植えてもらった苗と場所なのだが、幼児らしくドロンコ遊びを始め、何日後かには別の子がドロンコ遊びをして痕跡は消えてしまった。でも「楽しかった体験」は、ニューロンのネットワーク形成に反映していく大切なことなのだと思う。これは環境保護や生物多様性の向上にも通じるものがあると考える。
PS:写真はフイールドの利用者様から提供していただきました。深謝です。