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今日の筆洗

2024年04月01日 | Weblog
英国のサスペンスドラマを見ていたら、古美術商を名乗る人物がチャーチル元首相の愛用した高級腕時計が本物か、偽物かを見極めるという場面が出てきた▼どう鑑定するのかと思えば、この古美術商、腕時計に数秒触っただけで本物と断言する。「本物は冷たい」。ほんまかいな。フィクション上の話とはいえ、偽物のあふれる時代にこんな鑑識眼がほしくなる▼本物を見極める目がない以上、偽物と疑わしきものには近づかないのが賢明だろう。東京・原宿のアパレル店で人気ブランド「ステューシー」の偽ロゴの入ったパーカを所持したとして警視庁は商標法違反の容疑で店長を逮捕した▼最近、原宿では修学旅行の中高生らから偽物ブランドを強引に売りつけられたなどの相談が増えていたそうで、警視庁が警戒を強めていた▼「ステューシー」「クロムハーツ」と聞いても、小欄ぴんと来ない世代だが、偽物とはいえ中高生には安い買い物ではないのだろう。その昔、修学旅行のお土産といえば、絵はがきや観光ペナントだったが、お小遣いをはたいて買ったお土産が原宿の「偽ブランド」では悲しい▼春休みや進学で東京を訪れる若者が増える季節である。妙な客引きには警戒し、決して相手にしないことだ。四十数年前の春、上京後数日にして、新宿でインチキな映画券を売りつけられた身としては君たちが心配である。