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今日の筆洗

2024年04月18日 | Weblog
宝を守るため、その身をドラゴンに変える男の話が北欧神話にある。ひょんなことから父親が神々から大量の黄金を受け取ったそうだ。2人の子どもがその分け前を求めるが、父親は自分が受け取ったのだと応じない▼腹を立てた兄弟の1人が父親を殺害し、黄金を独り占めにする。兄弟のもう1人が分け前を要求してもやはり耳を貸さない。宝を隠し、自分はドラゴンとなって、その上でとぐろを巻いて横たわったという▼この歴史的建造物の守り神も北欧神話とどこかでつながっているのかもしれない。コペンハーゲンの「旧証券取引所」である。17世紀、当時のクリスチャン4世が建設を指示したと伝わる▼シンボルの尖塔(せんとう)の高さは56メートル。変わった構造で4頭のドラゴンが天に向け、尾をねじり合わせて一つの塔となっている。ドラゴンに敵や火から建物を守らせるためらしい▼不思議なことに周辺でどんな大きな火災があってもこの建物だけは被害を免れてきたそうだ。そのドラゴンが炎に包まれ、崩落した。「旧証券取引所」の大規模火災である。歴史を失ったようで土地の人はショックだろう▼原因はまだ不明だが、改修工事中だったと聞く。2019年のパリ・ノートルダム大聖堂など歴史的建造物の火災が後を絶たぬ。古さゆえ火に弱い人類の財産と記憶。注意深く、最新技術を身に付けた宝を守るドラゴンがほしい。
 
 

 


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