包丁のトギノン ブログ

トギノン販売有限会社 包丁の製造販売店のブログです

包丁のマーキングについて 其の壱

2008-09-10 | 包丁のマーキングについて
其の壱
-初めに-
今回は、包丁のマーキングについて述べたいと思います。
マーキング方法は多種多様ありましてそれぞれ特長があります。
種類としては...
・腐食マーキング
・電機腐食マーキング
・シルク印刷
・プリント印刷
・パット印刷
・刻印
・彫刻(タガネで彫る)
・レーザー彫刻
・レーザーマーキング
などなど

どれが一番優れているかというより、それぞれに特長や趣向がある物なので製造側としてはマーキング選択に悩まされます。
なおかつ、それぞれ加工工程やコストが全然比較にならないくらいの差があるんです。
これをお客様にその価値を違いを御理解していただくのが難しい。
それらの理由から、少しでもマーキングによる「違い」を少しでもお伝えできたならと思い書きました。

其の壱では「腐食マーキング」について述べます。
腐食マーキングとは、刃物の表面に文字や絵?などを彫り込んでゆく加工の事です。
加工方法としては、包丁表面に彫り込むところ以外をマスキング(白抜き状態)して、薬品でマスキング以外の所を腐食(溶かし彫り込む)させるのです。
すると、腐食された所は凹みます。
この状態で出荷されるとマーキング方法は「白腐食」などと呼ばれます。
腐食の凹みを活かして「色入れ」(塗料を流し込む)すると「本腐食」などと呼ばれます。
本腐食は黒や赤、金や緑など様々のカラフルな色入れができます。
また、腐食による凹みによって長年お使いになった包丁でもマーキングが消えてなくなってしまうことがほとんどありません。
もちろん形が原型よりかなり変形してしまうくらい研ぎ上げた包丁はこの限りではありませんが...。

簡潔に述べましたが加工には大変な手間と時間がかかります。それに本腐食は職人による1本1本地道に手作業で行いますのでコストが高く付きます。
包丁で使われるマーキング方法としては技術・コスト・美観など総合で1,2を争うレベルの高い物なんですよ。

少しはマーキングについて御理解いただけましたか?
マーキングのお話はたくさんありますので、ぼちぼち時を見計らいUPしてゆこうと思っております。

下記画像は本腐食」でマーキングした牛刀のマーク部のアップ画像です。
カラフルで素晴らしい仕上がりでしょ