包丁のトギノン ブログ

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打ち刃物と鋼材会社の材料を使用した刃物 その4

2014-09-26 | 包丁・刃物の鋼材について
打ち刃物と鋼材会社の材料を使用した刃物 その4

前回は打ち刃物の鍛造の欠点というか弱点についてお話しました。
今回は「鋼材会社の材料」について述べたいと思います。

まずは欠点というか弱点からお話します。
日本には数多くの製鋼会社があります。
新日織住金
JFEホールディングス
神戸製鋼所
日立金属
日新製鋼
大同特殊鋼
愛知製鋼
などの大手製鋼会社があり、
さらに 2次加工を行なう「鋼材メーカー」も多数あります。
またさらにその鋼材を使い独自の特殊鋼を製造する会社も存在し多くの鋼材が作られています。
多くの鋼材というのは何でも同じというわけではなく、建築用、自動車用、刃物用、航空機用、パイプなど様々な用途に向けて製造されています。
すなわち「鋼材会社の材料」とは既製品というか市中に出回っている鋼材のことなのです。

ここからは刃物に使われる鋼材に関してお話してゆきます。
特殊刃物鋼は鋼材の中でも特別なもので、航空機や宇宙開発、自動車などの駆動部分などにも使われています。
ある程度の需要のあるものか、ピンポイントで需要が限定された鋼材しか製造していません。
もちろん各会社の売りというか技術を誇示するような特殊な材質もありますが、それぞれの規格に沿った製品であるわけでATS34やAUS8など決まった成分・製造方法で作られる鋼材が「鋼材会社の材料」に当てはまります。
この規格に沿った鋼材というのは困ったことに少量では製造できません。

昔は製鋼会社で最低2トン単位で特殊鋼を精製していたのですか、昨今は最低10トン単位からしか精製できなくなってきました。(精製炉の関係です)
これはひとえに多すぎる特殊鋼を売り上げベース、コストなどを考慮し間引かれてきているのです。
困ったことにSUS440Cや青紙などの高炭素含有の鋼材は市中にある在庫だけでもう作られないかも...という状態になっています。

鋼材メーカーが作らなければ手に入らなくなる、発注しても大量に精製しなくてはならない。
また、規格外の鋼材を作るには莫大な費用とノウハウが必要になってしまう。
この点が弱点でしょうかね..。

次回は良い点を記したいと思います。



話は変りますが、来る10月11日(土)、12日(日)は恒例の関市「刃物まつり」です。
今年で47回目となります。
10月10日(金)には関市役所にて「前夜祭」が開かれます。
今年から始まるの催し物なので楽しみです。


詳しくはこちらから
関市刃物まつり 公式ページ
http://seki-hamono.jp/

昨年の開催時の様子からマップ、ショップの情報が満載です。
ご興味のある方はチェックしてくださいね。

それでは、また。