包丁のトギノン ブログ

トギノン販売有限会社 包丁の製造販売店のブログです

切れ味が落ちる要素としてあげられるもの。

2008-09-04 | 包丁の切れ味考察
切れ味の考察1

包丁の切れ味はいろいろな要素で決まってきます。
材質、刃厚、形状、熱処理など...。
今回はなぜ、切れ味が落ちるのかを考察しようと思います。

「切れ味が落ちる要素としてあげられるもの。」
いろいろとありますが、最大要素として考えられるものが2点程あります。そのうち1つを挙げてみました。

其の壱.刃の摩耗や刃かけ
使用するたびに包丁は食材とまな板に刃が触れます。
これにより刃が摩耗したり潰れたりして初期のシャープな形状が崩れ切れ味が落ちます。
これはどんな素晴らしい包丁でも避けることは出来ません。使用するほど切れ味が落ちるのです。

では、外国の包丁はどうでしょうか?
外国の包丁は食文化の違いから来る環境として、あまりまな板を使用しませんので切れ味が落ちにくい。
その上、ナイフ的な使用方法で切り落として使用することが多い。
ですから海外製の包丁は日本で使用するとほとんどの人が切れないと感じることが多い。
エピソードとして挙げますが、知人のイギリス人に私どものペティナイフをプレゼントしたところ、刃先を指でなで回しました。
私は驚いて止めに入ったのですが、時既に遅し...彼の指はパックリと切れていました。
もっとも、彼は「こんなに切れる包丁は初めて」と喜んでいましたが...。
やはり外国で言う「切れる」という定義は日本とは違うようです。
もちろん、外国製の中にも素晴らしい切れ味の包丁もあるかとは思いますが、私個人としては日本製の物が最高ランクの切れ味を誇っていると思います。

カッターナイフの方が切れるでしょ?
包丁は切れ味がすぐ落ちるがカッターナイフなどは切れ味が落ちにくいと言われるお客様が実に多い。
しかし、カッターナイフは剣先しか使わないことが多いので刃先が摩耗しておらず切れ味が落ちにくい。
もし、カッターナイフやナイフをまな板の上で包丁と同じように使用すると切れ味は落ちやすくなります。

刃かけについては形状からも元の形を保てていないように切れ味は落ちます。
硬い物に刃を当てたり、切る際にこじったりすると刃かけを起こすので包丁の取扱には気をつけましょう。

包丁は道具です。使用後はお手入れしましょう。永久に切れる刃物なんて物理的にあり得ません。
だから、プロは毎日刃を研ぎます。
1週間に1度とは言いませんが1ヶ月に1度くらいは包丁を研いであげて下さい。
きっと料理が美味しく、そして料理が楽しく感じますよ。

次回は「切れ味が落ちる要素としてあげられるもの。」其の弐をお送りします。