包丁のトギノン ブログ

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抗菌について3(塩素編)

2011-02-23 | 抗菌について
ついこの間までTVで大雪のニュースが流れていましたが、私のいる岐阜県関市は日に日に暖かくなってきました。
そろそろ、冬季冬眠中だった趣味のバイクでツーリングに行きたい!!なんて思っています。

おまたせしました塩素についてお話します。

塩素は食塩から苛性ソーダ(化学工業には必ず必要な物質)を造る際に、副産物として大量にできる薬品です。
汎用性にとみ、石鹸の原料,排ガス,排水の中和、鉄鋼業の脱脂工程等色々な分野で一般的に使用されています。
 
塩素(Cl2)は水と反応し次亜塩素酸(HClO)を生じ、続いて塩酸(HCl)と活性酸素(O)に分解します。
家庭用に販売されている液体の塩素系漂白剤や殺菌剤(洗濯用、キッチン用、ほ乳ビンの殺菌用などのもの)のほぼ全てが、この次亜塩素酸ナトリウムの水溶液、またはそれに少量の界面活性剤(中性洗剤の主成分)等を加えた製品だといえます。

一方で活性酸素も他の物質に対して強い酸化作用を及ぼし、殺菌あるいは漂白等の有益な作用を示すのですが、組胞を破壌し人体に悪影響を及ぼすことがあるとの研究報告があります。


塩素分子は常温常圧では特有の臭いを持つ黄緑色の気体で、毒性と腐食性を持つことが知られています。
塩素原子の電子親和力は非常に大きく、通常イオン化する際は一価の陰イオンとなります。
また、強い漂白・殺菌作用をもつため、パルプや衣類の漂白剤や、水道水やプールの殺菌剤として使用されています。
ただし、気体にして扱うのは困難であり、保存性の点からも水酸化ナトリウム水溶液と反応させて作られる次亜塩素酸ナトリウムが利用されることがほとんどです。

■塩素系で抗菌剤として使用される代表的なものと仕組み

次亜塩素酸ナトリウム = NaOCl
「水 と塩素が反応して次亜塩素酸という化合物に変化。
 Cl2+2H2O→2HOCL+H2」
この中の HOがフリーラジカルの一種のヒドロキシラジカルであり、強力な酸化作用を発揮して殺菌。


-豆知識-
前回の酸素編でお話しましたが、酸素系にも漂白剤と使用されているものがありましたね?
そうです、家庭用漂白剤には「塩素系」と「酸素系」とがあります。
塩素系の漂白剤とトイレ用洗剤などの酸性薬剤を混ぜて使用すると、塩素系漂白剤に含まれる弱酸である次亜塩素酸が遊離、分解し猛毒の塩素ガスが発生します。

これを知らずに混ぜて使用して過去には消費者が死亡する事故が発生したのです。
これが所謂、「まぜるな危険」と各社の塩素漂白剤のパッケージに大きく注意書きとして記された謂れです。
ちなみにこの注意書きは塩素漂白剤に記されており酸素系漂白剤には記載ありません。
酸素系は混合しても塩素ガスが発生しないため注意書きはないんですよ。

次亜塩素酸ナトリウム水溶液は時間とともに分解され温度・紫外線なども分解を促進します。
また、60~70℃ほどに温めれば有害物質は揮発してしまうとのこと。ただし、そのときに発生する気体には有害なものが含まれていますので吸い込まないように注意してください。
有害成分の濃度が高いと中毒症状を起こしたり命にかかわることもありますから。



次回は電子、温度についてお話します。
それでは!