包丁のトギノン ブログ

トギノン販売有限会社 包丁の製造販売店のブログです

抗菌について5(電子編)file2

2011-06-27 | 抗菌について
抗菌について5(電子編)file2

皆さんいかがお過ごしですか?夏至もすぎ日に日に暑くなってますね。

さて、今回は前回書ききれなかった金属の電子・イオン効果の続きを記したいと思います。

抗菌効果を狙って使用される主な金属は、前回お伝えした「酸化チタン」のほかに
1.金
2.銀
3.銅
が挙げられます。
他にもありますが、ここに記した以外の金属はほとんど強力な放射線物質が含まれていたり、重金属などの作用によって人体に有害なものであることが多く「抗菌効果」を狙って使うにはふさわしくありませんので割愛します。

さて、上記に挙げられた「金」「銀」「銅」は同じ仲間であるといえます。オリンピックのメダルではありませんよ。
それは....
化学の「周期表」をご覧になればわかりますが、「金」「銀」「銅」は11属に分類されており同属だといわれているからです。
つまり似通った性質を持っている金属元素ということになります。

これらの金属に抗菌作用があるといわれても、その仕組みについては??と疑問が多いかと思いますので順をおってご説明します。
実はこれらの金属は「酸化還元作用」「イオン」を溶出しやすいという性質があります。
また、酸化チタンと違い紫外線は必要としません。
金・銀・銅に水分が接触することで、水を酸素と水素イオンに分解するのは酸化チタンと同じ効果ですが、抗菌効果はこちらのほうが格段に高い。(効率が良い)
細菌には必ず水分があります。(生きているのだから)

この細菌に含まれる水分と反応し活動や組織を分解してしまうのが、直接接触による「酸化還元作用」。

また水槽などでイオンが流失しそれが細菌の細胞膜を破壊する「金・銀・銅イオン効果」。
代表的なこの2つの作用で抗菌効果が得られます。

また、効果のほどは1、金 2、銀 3、銅で、酸化の度合いが強い順といえます。これは電気伝導率の差だとも思われます。
電気伝導率が優れているのは電源コードやオーディオの金プラグ、PCのCPUラインや半田などにも利用されていることで容易に想像できますね。

「金」「銀」「銅」がほかの金属と違うのは酸化し易い(サビ)のだが、ほかの金属のようにサビで分解されない。
表面に金属塩などの皮膜を形成することで腐食が止まるのです。
つまり表面の皮膜だけ取り除けば元の姿を取り戻せるのです。(元の質量が変化するのではなく、汚れが積もるとか付着したとお考えください。)
もっとも、そのなかでも金は特殊で錆ません。(厳密には錆びますが、分解するには特殊な環境や薬品が必要なためここではあえて錆びないとしておきます。)

抗菌効果の仕組みは下図をご覧ください。この図は銅の作用を記していますが金も銀も同様の効果だとお考えいただいてOKです。

図1 「銅イオン効果」


図2 「酸化還元作用」

とまぁ、このような作用が抗菌効果に繋がるのです。

また、この効果を有効に発揮できたほど酸化皮膜が形成されます。
「酸化還元作用」「金・銀・銅イオン効果」で変色。もっとも金だけは前述したとおり変色はまずありません。
銀は酸化で黒ずみます。銅も10円玉のように小豆色になったり緑青が付着する。
(銅の金属塩:緑青は1984年に厚生省{現在:厚生労働省}の判断基準で、③普通物と判断され無害に等しいと公式見解が発表されました。また口から人体に入っても分解吸収されることはなく、そのまま排泄されるので安全とのこと。)
つまり、変色こそが抗菌効果の現れということになります。
変色を取り除くのにはクエン酸+ナトリウムが有効で、梅干やレモンに塩などで用意に元の輝きを取り戻し抗菌効果も復活します。

「金」「銀」「銅」は人体に害を及ぼさない優れた金属で抗菌効果を狙った商品にも一役買っている。
具体的な使用例などは...と思いましたが長くなってきましたので今回はこのあたりで。

次回は(電子編)file3としてここで述べた効果について豆情報を記したいと思います。