包丁のトギノン ブログ

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抗菌について4(温度編)

2011-04-28 | 抗菌について
抗菌・殺菌の温度について

殺菌する方法は、物理的な方法によるものと、化学的な方法によるものと大きく分けて2方法あるのですが、温度に関しては物理的な方法となります。

まず、細菌などの微生物は有機物で構成されています。
よって、水分がある状態で加熱すると死滅しやすい。(なぜ死滅しやすいかは下記に記します。)

加熱で一番い思い浮かぶのが火。
「火」には強力な酸化作用があり、焼却することで殺菌ができます。
しかし問題は、菌のついた対象物も燃えてしまうので、菌だけを殺菌したい場合には向かない。
もっとも確実な殺菌方法であるため伝染病などの病原性の強いものには焼却が選択されることが多い。
表面についた菌を殺菌するだけならば、バーナーやライターの火で炙る火炎殺菌も有効です。

おおむね熱による殺菌の基本は100℃以上で行われる。
これは前にも述べた「水分がある状態で加熱すると死滅しやすい」というもので、水分が蒸発する100℃が目安となる。
また、オートクレーブなどの高温高圧滅菌や滅菌用オーブンによる乾熱滅菌では殺菌温度に120~150℃以上のものもありますが、より確実性や時間の短縮をねらった方法であるといえます。

また牛乳などの乳製品や一部食品に用いられる低温殺菌は100℃以下で行われています。
殺菌温度は45~80℃の間で行われるが、30分から数時間かけて処理します。
これは高温だど食品などは変質してしまうので、代わりに時間をかけて消毒殺菌する方法をとっているのです。

加熱の逆の冷却による方法。
10℃以下(マイナスも含む)の状態だと殺菌には至らない場合もあるが、静菌状態となり繁殖を抑える効果があり冷蔵・冷凍状態にはこの効果がある。
いわゆる冷凍保存、コールドスリープといわれる現象。緩やかにしか活動できない、時間を止めてしまうような効果がある。
細菌や微生物などの単純生物に有効。現段階では人間などの高等生物は組織が複雑なため冷凍保存をすると腐敗しにくくなるが細胞は死んでしまう。よくSF映画や小説で冷凍睡眠などといってその人の時間をとめる様な効果がある仕組みが表現されているが、それはこの原理を知ったものが考えたのではないかと思う。将来的には生きたまま冷凍・解凍できるようになるのかもしれませんね。
また、冷蔵庫などもこの温度管理で菌や微生物の繁殖をおさえ食料が腐敗するスピードを遅らせているのです。

このように温度(加熱・冷却)によって、細菌や微生物の抗菌・殺菌作用があることがわかりますが、加熱には死滅させる作用があるが冷却には時間(活動・繁殖)を止める、遅らせる効果しかありません。

一説によると加熱の上限温度があるそうで、およそ5億℃ともいわれています。
冷却のほうは広く知られていますが「絶対零度」-273.15℃ が上限だといわれています。
両方ともなぜその温度が上限なのかというと、分子や原子の活動できる温度がその範囲以内というところが諸説の元となっているようです。

-豆知識として-
一度冷凍した食品を解凍した場合、細菌や微生物が活動を再開しますが、その繁殖スピードは冷凍前の2~4倍、それ以上ともいわれています。だから解凍したらなるべく早く調理してくださいね。


温度に関してまだまだ、ありますが...今回はこのあたりで。
それでは、また。