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2012年 関刃物まつりレポート 前編

2012-11-08 | お知らせ等
2012年 関刃物まつりレポート 前編

刃物まつりにこられなかった方にお送りするレポートです。
順をおって刃物まつりの魅力をご説明します。

朝一番に行ったのは刃物まつりの最大の見物として知られる古式日本刀鍛錬です。
場所は伝承館の脇にある鍛錬所です。
鍛錬所には現役「刀匠」の名が飾ってあります。


鍛錬が始まりました。


この鍛錬は「折り返し鍛錬」といいまして鋼材を幾重にも折り重ねて鍛造していく製造過程を見ることが出来ます。
離れてみているのにこちらまで鋼の熱が伝わってきます。
画像にあるように鋼材が白くなってきています。
温度が高い証拠ですね。
これでだいたい1200℃くらいでしょうか?


鍛錬が終えた後、刀匠に質問したり一緒に写真をとることの出来る時間が設けられています。
熱心な外国の方や日本刀マニアの方々で賑わっていましたよ。

続いて伝承館です。
通常は人形などにより製作過程を展示していますが、刃物まつりは実際の「匠(たくみ)」が実演しています。
研師の作業様子。

今は亡き私の祖父も研師をしていたと聞いています。研師の鋭いまなざしに心が引き締まります。

続いて鞘師と白銀師の作業様子。
鞘師は私のいとこが現在、匠の一人としてやっています。
鞘師は文字通り日本刀の鞘を削りだして造ります。刀ごとに鞘の形状が違うので大変な作業です。
諺でも「反りが合わない」というように1つ1つ刀と鞘はフィットしないとしっくりしないし使えないものです。

白銀師は皆さんあまりなじみがないと思いますが、主に刀の金具装飾品を造ります。
特に刀身と柄の間にある�綺(はばき)という金具の製作が重要。
刀身の保護と安全性を司るこの部位の製作は白銀師の腕の力量のみせどころだとまで言われています。

他にも柄巻師(つかまきし)や鐔師(つばし)などたくさんの匠によって日本刀が作られる様子を見ることが出来ます。
伝承館は通常入館料が必要ですが刃物まつりの日は「無料開放」されており誰でも気軽に入館できます。


さて、刃物まつりレポート 前編は如何でしたでしょうか?
次回は「後編」をお伝えします。
それでは。