包丁のトギノン ブログ

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打ち刃物と鋼材会社の材料を使用した刃物 その1

2014-06-30 | 包丁・刃物の鋼材について
打ち刃物と鋼材会社の材料を使用した刃物 その1

暑い日が続いたとおもえば、関東では雹や大雨が続き大変な異常気象!
めまぐるしい気温等の変化で体調を崩し易いので、健康管理に気をつけたいですね。

さて、今回は打ち刃物と鋼材会社の材料を使用した刃物について記したいと思います。

よくお客様から刃物は
「打ち刃物」が一番切れる刃物でしょ?」
と聞かれます。
また、
「鋼材会社の鋼材(既製品?の鋼種)を利用した刃物は劣るよね。やっぱり鍛冶屋がトンカチと手作りで作ったのがすごいでしょ?」
とも聞かれます。

そんな時、私は
「そんなことは無いですよ。鋼材会社の鋼種でも打ち刃物より優れた切れ味のものがあるんですよ。もちろん、すばらしい打ち刃物もあります。
打ちか?そうでないか?だけで優劣を決めることは出来ません。」
と答えます。

すると殆どの方が「打ち刃物の鍛冶屋が一番では無いんですか?」と驚かれます。
他の刃物業者がどう認識され、お考えなのか分りませんが私なりの考えを述べご説明したいと思います。

まず、なぜ皆さんが打ち刃物が優れていると感じられているか訊ねてみると?
1.手作り
2.職人の技
3.日本刀の鍛造などに通じる製造技法
・・・etc
などが主な点だそうです。

対して鋼材会社の鋼種を利用した刃物が劣ると思われている点は?
1.既存の材質
2.鍛造ではない
3.機械(マシニング)を利用した製造技法
・・・etc
という答えが返ってきました。

間違いではありませんが、ここに思い込みというか既成概念にとらわれた考えが誤った判断を招いているのです。
次回はこの思い込み・既成概念的なものを打ち壊すべき私なりの解釈をお伝えしたいと思います。
それではまた。