-本刃付けについて1-
最近、お客様や各バイヤ-様に「本刃付けて、なに?どんなの?」などと、お問い合せをいただくことが多くなりました。だから、今回は先日、お約束した「本刃付け」についてお話しします。
「本刃付け」とは何なのか?上手く表現できませんが、それは…
包丁の刃先を鋭く研ぎ上げること。
本気印の刃付け?勝負刃付け?のこと。
このような説明をうけると、ほとんどのお客様は、
「じゃぁ、普通にお店で購入した「普通の刃付け」は切れないってこと?」
「何で最初から鋭く研ぎ上げ切れ味を良くしないの?」
と思われます。
しかし、それには誤解を招く表現が多々ありますので、もっと掘り下げてお話しします。
そもそも、包丁は切れなくては道具として存在意義がありません。
一般的な包丁製造メーカーが、包丁を製造出荷する際、特別不満無く切れるレベルの刃が付いています。
しかし、この刃付けはたとえて言うなら、「万能選手型の刃付け」がしてあります。
「万能選手型の刃付け」とは、一般的な使用方法で刃が欠けにくかったり、硬い物、軟らかい物、厚切り、薄切りなどをほどほどにこなす刃付けだといえます。
だから、本刃付けでなくとも普通に切れ、包丁として機能しますので、ご安心下さい。
決して、製造メーカーが手抜きをしている訳ではありませんよ。
だったら、何故「本刃付け」なんてあるの?と言う話になってきますよね。
それでは、「本刃付け」の存在意義を考えてゆきます。
たとえて言うなら、本刃付けは「アスリートの刃付け」でしょうか?
私は、車やバイクが好きなのでそれにたとえると、
「レーシングカー」になるかな?超高性能でタイムが出れば、耐久性も考慮しない。乗り手のスキルを選ぶ。ピーキーで扱いにくく、デリケート。扱いには気を遣います。とんがっているといったところですか。
一方、普通の刃付けはいわば、「ノーマルカー」。一般的な使い方には不満が出ない。耐久性もある。乗り手のスキルに左右されず乗り物として機能する。
さらに、レーシングカーには、F1(桂剥きや刺身、薄切りの包丁)もあれば未舗装路を走るラリーカー(骨切りナタ、カボチャなどの硬い物用の包丁)もありますし、またドライバーの好み・スタイルによって最高速重視、加速重視、堅めのサス、柔らかめのサスなど、細かなセッテイング(刃付けの味付け)を必要とします。
これが、適材適所に最高の性能を発揮する刃付けとなってゆくのです。
本来、料理等の職に従事している板前さんやシェフ(プロフェッショナル)などが上記の事を考慮し研ぎ上げたのが本刃付けといえます。
しかしこの加工は非常に技術と手間を必要とするので、最初からその域を想定した刃付け加工をすることが「本刃付け」となりました。これも車にたとえるとホワイトカー(レーシングベース車両)といえますね。
これなら、少しの改良で自分好みのスペック(好みの切れ味)が出せます。
だから、バリバリのレーシングスペックが万人受けするかと言えば…答えはNoです。
包丁の扱いがプロフェッショナルでない人々(一般ドライバー)や様々な物を切るケースにとっては、扱いにくい、刃かけを起こしやすい、メンテの頻度が高くなるなど、本刃付けが良いことばかりではないことがおわかりになるかと思います。
切れ味を決定づける要因としては、以前にもお話ししたかと思いますが
・材料
・熱処理加工
・刀身の研ぎ方
・刃付け
・切る物
・形状
・使い手のスキル
など、様々な要因によって変化します。
自分好みの切れ味が得られていないとお考えの方は、上記の項目が使用用途に対して適しているか再度考慮してみて下さいね。
次回は、具体的な本刃付け加工はどのようにおこなっているのか形状や加工方法などをお伝えしたいと思います。
最近、お客様や各バイヤ-様に「本刃付けて、なに?どんなの?」などと、お問い合せをいただくことが多くなりました。だから、今回は先日、お約束した「本刃付け」についてお話しします。
「本刃付け」とは何なのか?上手く表現できませんが、それは…
包丁の刃先を鋭く研ぎ上げること。
本気印の刃付け?勝負刃付け?のこと。
このような説明をうけると、ほとんどのお客様は、
「じゃぁ、普通にお店で購入した「普通の刃付け」は切れないってこと?」
「何で最初から鋭く研ぎ上げ切れ味を良くしないの?」
と思われます。
しかし、それには誤解を招く表現が多々ありますので、もっと掘り下げてお話しします。
そもそも、包丁は切れなくては道具として存在意義がありません。
一般的な包丁製造メーカーが、包丁を製造出荷する際、特別不満無く切れるレベルの刃が付いています。
しかし、この刃付けはたとえて言うなら、「万能選手型の刃付け」がしてあります。
「万能選手型の刃付け」とは、一般的な使用方法で刃が欠けにくかったり、硬い物、軟らかい物、厚切り、薄切りなどをほどほどにこなす刃付けだといえます。
だから、本刃付けでなくとも普通に切れ、包丁として機能しますので、ご安心下さい。
決して、製造メーカーが手抜きをしている訳ではありませんよ。
だったら、何故「本刃付け」なんてあるの?と言う話になってきますよね。
それでは、「本刃付け」の存在意義を考えてゆきます。
たとえて言うなら、本刃付けは「アスリートの刃付け」でしょうか?
私は、車やバイクが好きなのでそれにたとえると、
「レーシングカー」になるかな?超高性能でタイムが出れば、耐久性も考慮しない。乗り手のスキルを選ぶ。ピーキーで扱いにくく、デリケート。扱いには気を遣います。とんがっているといったところですか。
一方、普通の刃付けはいわば、「ノーマルカー」。一般的な使い方には不満が出ない。耐久性もある。乗り手のスキルに左右されず乗り物として機能する。
さらに、レーシングカーには、F1(桂剥きや刺身、薄切りの包丁)もあれば未舗装路を走るラリーカー(骨切りナタ、カボチャなどの硬い物用の包丁)もありますし、またドライバーの好み・スタイルによって最高速重視、加速重視、堅めのサス、柔らかめのサスなど、細かなセッテイング(刃付けの味付け)を必要とします。
これが、適材適所に最高の性能を発揮する刃付けとなってゆくのです。
本来、料理等の職に従事している板前さんやシェフ(プロフェッショナル)などが上記の事を考慮し研ぎ上げたのが本刃付けといえます。
しかしこの加工は非常に技術と手間を必要とするので、最初からその域を想定した刃付け加工をすることが「本刃付け」となりました。これも車にたとえるとホワイトカー(レーシングベース車両)といえますね。
これなら、少しの改良で自分好みのスペック(好みの切れ味)が出せます。
だから、バリバリのレーシングスペックが万人受けするかと言えば…答えはNoです。
包丁の扱いがプロフェッショナルでない人々(一般ドライバー)や様々な物を切るケースにとっては、扱いにくい、刃かけを起こしやすい、メンテの頻度が高くなるなど、本刃付けが良いことばかりではないことがおわかりになるかと思います。
切れ味を決定づける要因としては、以前にもお話ししたかと思いますが
・材料
・熱処理加工
・刀身の研ぎ方
・刃付け
・切る物
・形状
・使い手のスキル
など、様々な要因によって変化します。
自分好みの切れ味が得られていないとお考えの方は、上記の項目が使用用途に対して適しているか再度考慮してみて下さいね。
次回は、具体的な本刃付け加工はどのようにおこなっているのか形状や加工方法などをお伝えしたいと思います。