包丁のトギノン ブログ

トギノン販売有限会社 包丁の製造販売店のブログです

「切れ味が落ちる要素としてあげられるもの。」のつづきです。

2008-09-05 | 包丁の切れ味考察
切れ味の考察2

「切れ味が落ちる要素としてあげられるもの。」のつづきです。

其の弐.刃に付いた脂等
お寿司屋さんで魚を切り分けているとき頻繁に包丁をフキン等でぬぐっている姿を目にされた方は多いと思います。
あれは、生ものを扱う上で衛生面を保つ意味もありますが、切り分けるたびに付く脂を拭き取っているのです。
脂が付くと包丁が被膜をおびたり滑ったりするので、食材に刃が、食い込んでゆきにくくなるから行っているのです。

世界最高峰の切れ味を持つ日本刀でさえ「樋」(ひ)を刀身に入れ血抜きをし切れ味を保とうとしています。
その上、「樋」はリブ加工みたいな物で刀身の強度を保ち折れや曲がりにくくし、切った物が刃の側面に表面張力によってへばりつくのを防ぐ効果もあります。
あと、ウェイトバランスの調整にも一役買っています。


私がお世話になっている食肉加工業者の工場では、衛生面や刃物の切れ味に凄く気を遣っておられます。
加工工場内は10℃前後の室温で作業を行い雑菌の繁殖を抑え、20分に1度まな板を消毒・包丁の交換など様々な対策を取られています。
工場の作業員からは脂がまとわりつくと切れなくなるから頻繁に洗浄して使い、刃も毎日研ぐとの事でした。

一般家庭のお客様でも、脂等の付着はまめにフキン等で拭うか水またはお湯などで洗い流せば少しは切れ味が良くなりますよ。
繰り返しますが、包丁は道具です。使用後はお手入れしましょう。永久に切れる刃物なんて物理的にあり得ません。
だから、プロは毎日刃を研ぎます。
1週間に1度とは言いませんが1ヶ月に1度くらいは包丁を研いであげて下さい。
きっと料理が美味しく、そして料理が楽しく感じますよ。

他にもいろいろとありますが、「切れ味が落ちる要素としてあげられるもの。」で挙げたこの2点が切れ味が落ちる最大要素として考えられます。