包丁のトギノン ブログ

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スパチュラ(パレットナイフ)のご紹介

2012-04-27 | 道具のありかた
スパチュラ(パレットナイフ)のご紹介

先日、数人の知人と会話をしているとそのうちの一人がお子さんのために手作り誕生日ケーキを作る際に「スパチュラ」を使ったよ。
と話していました。
そこで何人かの人が「まめだね。ところで、スパチュラって何?」と質問をしていました。
意外と何のことか知らないんだなぁーと思いましたので、今回はスパチュラとは何なのかご紹介したいと思います。

まず、スパチュラは(英語:spatula)で、ドイツ語ならスパーテル(Spatel)と読み記します。
どちらも日本で云う「へら」のことで、薄く扁平状の道具を指します。
粘り気のあるものをかき混ぜる。それを何かに塗り付けたり、あるいは削り取ったり、場合によっては柔らかい対象を刃のように押し切るなどの使用方法があります。
様々な分野で使用されており調理器具、工具、画材・文房具、裁縫道具 など多義にわたり使用されています。
例えば、フライ返し、しゃもじ、お好み焼きのこて、絵画で使うペインティングナイフ、石膏へら、建築等で使う金ベラ、裁縫に使う竹べらなども「スパチュラ」と表現されることがあるんですよ。

ちなみに、表題にある「パレットナイフ」とはスパチュラの別称の1つで{パレット:乗せる・運ぶを意味します。=盛って運ぶナイフ}ということです。
もともと画材で使われる絵具のパレット(調色板)で使うナイフなどがそう呼ばれていました。
現代に於いて「へら」=「スパチュラ」=「パレットナイフ」は、ほぼ同義語として使われており、製品のブランドやメーカーによって使い分けられていることが多いです。 
冒頭の会話の中のスパチュラは製菓用具のもので、ケーキやパン作りに使用されているものです。

単純な道具なのですが、市場に出回っている品質・性能は様々。
そこで私どもが製造している一般的な製品の1部をここで、ご紹介します。
製品選びの一つの目安となればよいのですが。

今回紹介するのは、黒プラ柄スパチュラ/ (パレットナイフ)シリーズ。
この製品はパテシェの要望を取り入れ「パン・製菓用品」として作られました。



スポンジケーキに生クリームを塗る作業時、手のひらでスパチュラが回転しやすいように工夫が凝らしてあります。
柄元が細く、おしりの方に向かってコニカルに広がる柄が非常に握りやすく疲れにくいので、作業効率を高めます。
柄の材質にはグリップ感がある150℃もの熱に耐える樹脂を使用しており、食洗機等での丸洗いや熱湯消毒も可能で非常に衛生的なスパチュラとなっています。
ブレードの表面は鏡面仕上げなのも拭き取りやすい、黒い柄は製菓用具では粉ものが多くさらに白いので、汚れが目立たせることで衛生面に気をつけやすいという配慮。
使用する目的や食材の大きさでサイズを選びましょう。目安としては少し塗り面より大きいと良く使いやすいですよ。
また、クレープを作る際、クレープ焼き器 の上にある生地をすくったり、はがしたり、するのにも使われている道具です。



このように単純な道具だからこそ、作り手や使い手のこだわりが溢れています。
勿論、この製品が完成形というわけでなく、1つの答えとお考えください。
材質や製造技術の違いもありますが、使用用途や使い手の想いなどで最適な道具は各々変っていくのですから。

「スパチュラって何?」という冒頭のお話から道具への想いへと話がそれてしまいました。
でも、今後もこの想いというのを記したいと思います。
最近市場にあふれている製品の中にはメディア媒体でのキャッチコピーや特徴ばかりクローズアップされて本来の性能を発揮できていない道具が多々あります。
これを記すことで意外と知らない道具の本質を自分でも再確認できますし、皆さんにも知っていただけたら少しは道具選びの目安になるのでは?と感じたから。

それではまた。