包丁のトギノン ブログ

トギノン販売有限会社 包丁の製造販売店のブログです

トーンウッドについて

2017-11-29 | 包丁について(総合)
今回は包丁のものづくりの現場からお伝えしたいと思います。

■トーンウッドについて
硬くて丈夫で木目の美しい広葉樹の木。
長年にわたって中南米やアジア、アフリカなど世界中で伐採され湯水のように消費されてきました。
おかげで多くの種が絶滅の危機に瀕しており、代替材と呼ばれた様々な種でさえ今や貴重な存在になっています。

そこで最近ワシントン条約附属書が改正され、ローズウッド等の木材種、ヨウム等の輸出入は平成29年1月2日から規制が入ることとなりました。
マメ科ツルサイカチ属(ローズウッド、学名Dalbergiaspp.)、ブビンカ属3種(学名Guibourtiademeusei、Guibourtiapellegriniana、Guibourtiatessmannii)、アフリカローズウッド(学名Pterocarpuserinaceus)が附属書IIに新たに掲載されます。(附属書Iに掲載される種を除く)。
木材そのもの(丸太等)だけでなく、これらを一部でも使用していれば、規制対象となります。
(製品として使用される例として)
楽器(ギター、弦楽器)、スピーカーなどの音響器具、家具、仏壇などの宗教用具、自動車の内装(中古車含む)、木材の抽出物・香料・アロマオイル、ビリヤードのキューなどの道具、建材、包丁の柄(ハンドル)など。

やはり我々、包丁業界でもこの問題に直面しています。
現在、在庫で抱えている木材が無くなると次の生産がままなりません。
規制当局の承認・許可を得れば取引できるが、「流通量が減り、需給バランスが崩れ価格が高騰」している状態です。
価格が高騰しても木材が確保できればよいのですが、木材の取り合いになっており現状なかなか難しいようです。
将来的にはトーンウッドの輸入は全面的に禁止されるのかもしれませんね。

しかし、一時流行したオール金属の包丁は木材を必要としないので良いとされましたが、スプーンやフォークと違い力のかかる作業をするとなると「手触りが硬い、滑りやすい、冷たい、熱い」など皆さん長年使うと不満が出てきます。(衛生的ではあるんですけどね...。)
それにより最近、木材の柄(ハンドル)の包丁が「手触りが柔らかい、滑りにくい、冷たくない、熱くない」と見直されてきている傾向があります。
やはり、人が手にする道具ですから包丁は。触り心地も大切なんですね。
しかし、環境にも配慮しなくてはなりません。当然のことです。

そんな昨今の背景からも、私どもは様々な代替木材を模索している日々を送っています。

それではまた。