包丁のトギノン ブログ

トギノン販売有限会社 包丁の製造販売店のブログです

包丁の取り扱いでしてほしくないこと1-2

2017-08-28 | 道具のありかた
包丁の取り扱いでしてほしくないこと1-2

前回の続きです。
前回は刀身について記しました。
今回は柄についてです。



漂泊漬け置き洗いでは柄の部分も注意が必要です。
包丁の柄に使われる材質を考察してみます。
1.木製
2.プラスチック樹脂
3.金属
通常大きく分けて上記の3つが考えられます。

1.の木製柄
漂白剤で消毒は出来ますが、ついでに漂白されて柄の色が落ちてゆきます。
この状態が進むとどうなるのでしょう?
そうです、木の成分が酸化されボソボソになってゆき強度が落ちます。
その結果、柄の破損につながります。

2.のプラスチック樹脂柄
消毒は出来ます。しかしこちらも漂白されてゆきますので表面の色が木製よりは緩やかですが、経年使用で色が落ちて白っぽくなります。
また、樹脂に含まれる油脂が脱脂され新品の段階より硬くもろくなってゆきます。
一言でプラスチック樹脂と言いますが、それこそ数え切れないほどの様々な種類があります。
全てがそうだとは言いませんが、漂白剤などの薬品によって「加水分解」などの劣化が起きることがあるのでなるべく漂白剤の使用は避けたほうが良いと思います。

3.金属の柄
金属製の柄は問題ありません。
概ね金属製のハンドル(業界ではホォローハンドルなどと呼ばれている)はスプーンやフォークなどと同じ材質でできている場合が多いので。
でも、肝心要の刀身は刃物鋼材で作られていますので、刀身の錆を注意する必要があります。

さらに「1.の木製柄」「2.のプラスチック樹脂柄」についてですが、追加注意事項があります。
それは何かというと、柄の内部(茎子:なかご)が錆びること。
水分が入り込めない隙間はますありません。なぜなら水分は液体、気体と変質することのできるものなので。(個体はこの場合除く)
水気をとばしても、濡らして乾燥のたびに漂白剤の成分が蓄積されてゆきます。だから、錆を誘発させるのです。

それに木製柄、プラスチック樹脂柄は漂白剤だけでなく水気が入りますので「野菜や肉・魚の汁や知」なども隙間に入り込んでゆきます。
この異物も腐敗のガスを発生させ錆びの原因となっています。
あまり刃物業者は見せたがりませんが、ちゃんと手入れしてないと茎子の様子はひどいものです。
その一部をお見せしましよう。
■木製柄の茎子汚れと錆


■プラスチック柄の茎子汚れと錆


どちらも刀身は綺麗なものですが、茎子汚れと錆はひどいものです。
漬け置き洗いをしたり食洗器で洗ったりすると上記の問題が起きますので、洗い方を考えましょう。
茎子を濡らさないようにするとか。
柄の内部が洗えないのが問題とお考えの方は「茎子が洗える包丁・トギノン包丁シリーズ」にするか?対策を考える必要がありますね。
●トギノンキープ シリーズ
http://www.toginon.com/SHOP/61249/61251/list.html
●トギノンエコフレンドリー シリーズ
http://www.toginon.com/SHOP/61249/61250/list.html

一般的な包丁の手入れというか洗い方は以前このブログでも記しました。
具体的な方法は以下をご参照ください。
●日々の包丁お手入れ方法
http://blog.goo.ne.jp/toginon/e/71591ee92716969dac122e70c64765bc

とりあえず、洗浄方法に於いて記しました。
他にもありますがまた次回に。
それではまた。