包丁のトギノン ブログ

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銃刀法について思うこと

2014-02-27 | 包丁について(総合)
銃刀法について思うこと

私ども刃物業界において遵守しなくてはならない法があります。
それは「銃刀法」です。(法律なので日本にいる以上、全ての人が守らなくてはなりませんが)

なぜ、こんな話をするかというと先日、私どもが在する刃物のまち関市で日本輸出刃物工業組合と岐阜県刃物産業連合会が主催、講師が岐阜県警本部による銃刀法セミナーが開かれ受講してきたからです。


銃刀法。
正式には「銃砲刀剣類所持等取締法(じゅうほうとうけんるいしょじとうとりしまりほう)」銃砲・刀剣類の取締りを目的とした日本の法律です。
明治維新以降に銃砲・刀剣類の所持規制が行なわれたが、第二次世界大戦後の日本軍解体と武装解除を徹底するためにGHQの指示を受け定められた銃砲等所持禁止令が、現在の銃砲刀剣類所持等取締法の源となったとされている。
当初は軍事上の目的であったが、その役目を終えると戦後の混沌とした時代の治安の回復と犯罪抑止に大きな役割を果たすようになっていった。
銃砲刀剣類の所持を原則禁止、これらを使った凶悪犯罪を未然に防止することを目的として定められた。
また銃砲・刀剣類の所持を許可制とし与える者を限定し、許可を得た者に対しても銃砲・刀剣類の取り扱いについて厳しく定められ、これに違反すると罰せられます。

銃砲の所持がダメなのは一般的常識からもあたりまえの納得ですが、刀剣類に含まれるものに問題があるように感じられます。

私は刃物屋ですから今回、銃刀法の刀法のあたる部分について簡単に説明したいと思います。
そもそも、「刀剣類」というのですから刀や剣に対しての法律だったのですが...上記の銃刀法の生い立ちからもあるように時代と共に解釈や文言が修正・加筆されてきました。

■刀剣類の定義として
「刃渡り15cm以上の刀、やり及びなぎなた、刃渡り5.5cm以上の剣、あいくち並びに45度以上に自動的に開刃する装置を有する飛び出しナイフをいう。ただし、ここでいう飛び出しナイフには、一般の飛び出しナイフのうち、刃渡り5.5cm以下で、開刃した刃体をさやと直線に固定させる装置を有せず、刃先が直線であってみねの先端部が丸みを帯び、かつ、みねの上における切先から直線で1cmの点と切先とを結ぶ線が刃先の線に対して60度以上の角度で交わるものは含まれない」
とされています。

ここで挙げられる
刀(剣の内でもとくに片側にしか刃のない物を指す)
剣(長い剣身を持つ手持ちの刃物)
やり(刺突を主目的とする猟具、武器・武具の一種)
なぎなた(長い柄の先に反りのある刀身を装着した武具)
あいくち(短刀の一種で柄と鞘が一直線にぴったりと刃が収められるつばの無い刀)
飛び出しナイフ

はもともと武器・武具として存在していると考えられるので当然取締りの範疇に入る。

しかし、現代に於いては「雑則」として「刃体の長さが6cmをこえる刃物の携帯の禁止」というものがある。
ここで気になるのが、上記の「刀剣類の定義」に定められた「刃渡り5.5cm~」という表記だ。
5.5cm? 6cm?どちらなのかという疑問が出てくると思う。

しかし厳密に法の解釈として
「刃渡り」という表現は刀剣に限定される刃の部分長さを指す。
「刃体」というのは刃物全般(包丁やハサミ、草刈鎌など)の刃の部分長さを指す。

性質や形状などにより細かく分けられているようです。
法は守らなくてはならないが難しい表記が多く、判断に困るものもあると思います。

次回は通常縁の無い銃刀法の刀剣の部分ではなく、一般生活で誰もが手にしうる刃物について注意すべき点を掘り下げて話をしたいと思います。
それでは。