包丁のトギノン ブログ

トギノン販売有限会社 包丁の製造販売店のブログです

パン切りの切り方?

2017-02-27 | 包丁の切れ味考察
パン切りの切り方?

なかなか天候が安定しなく寒暖の差が激しい日が続いています。
これも春への準備なのだと思い、春一番が来るのを心待ちにしています。

さて、今回はパン切りの切り方です。
「そんなの知っているよ。」といわれるかと思います。
しかし、先日ある刃物取扱業者のところで研ぎ方や切り方を教えてと尋ねられて。
そこでとりあえず皆さんの切り方を見ていると...???。
結構、損している切り方しているな。もっと切れ味を生かした切り方ができるのにと感じました。
だから、今回の話題になったのです。
当然、知っている方もいらっしゃるかと思いますが、お付き合い宜しく願います。

まず、視覚的にどのようにしたら切れ味を表現できるか考えました。
そこで粘土を切ってみることで、切断面を見ていただこうと思いました。


まずは、切れ味を生かす切り方です。
画像をご覧ください。

剣先の波刃がひかかるように手前から奥へ滑らせる。
(画像に対して左側から右側へ、押すというかスライドさせながら刃を入れていく)

表面の皮というか膜にあたる部分を破ることで、より刃先が食い込んでゆきます。
これはパンならば表面の硬い部分、ハムならば表面の皮の部分に当たるとお考えください。
つまり、表面と中の硬さの違うものを切るときに有効な切り方です。
硬さが一定ならば刃のあご付近から一気に引き切りした方が良いです。(刺身包丁的な引き切りをイメージしてください)


そして、上の画像のように刃渡りを生かして一気に引き切り。(画像に対し右側から左側へ刃を引く)
引き切ることでパン切りの波刃が力を発揮しスーッと切れてゆきます。
するとどうでしょう?


ご覧のように非常に綺麗な切断面となります。
切断面の平面具合、角が立つ鋭い切れ味が見て取れます。
刃渡りを生かした切り方が非常に大切なポイントとなります。
無駄な切り返しは要りません。


次は少し残念な切り方をしているなと思った方の方法を再現しました。
食材に対し刃の真中あたりの部分を平行に近く置き切る。


画像のように刃を前後にスライド。ノコギリのように小刻みに動かします。
切れない普通の包丁でもこのようにしてしまう方がいます。
一見、よく切れているかと思いますが、どうでしょう?
切断面をご覧ください。
角はやや潰れているし、平面も「段付」になっています。


小刻みに前後にスライドしたノコギリ的な切り方では、前後に切り返したたびに段付が出来てしまいます。
画像の切断面からは4~6回ほど切り返したのがわかります。
切り返すため切断面の角もやや丸く潰れてしまいます。

同じパン切りナイフでのテストです。
包丁が切れる切れないのではなく、切り方のテクニックというか方法で、こんなにも仕上がりに差が出るのです。
驚きでしょ?

ここで紹介したどちらの切り方をされても構いません。お客さまの自由です。
料理によってはわざと切断面に段付を作る場合もありますし。(ソースなどをからみやすくするなど)

ただ、平坦な切断面や角、薄切り、パン粉が出にくいなど、
最初に挙げた切り方を実践することで、驚くほど切れ味が永く続きますよ。
一度、ご賞味あれ。

粘土を使った切り方の紹介でしたが、上手く切断面が写せたので良かったです。
食材ですと均一な物や切断面の比較が上手く写真に写らないかなと思ったので。


パン切りなどの波刃は、柔らかいものほど「引き切り重視」、硬いものほど「押し切り重視」がコツです。
それではまた。


「本刃付け」のはじまり?

2015-07-29 | 包丁の切れ味考察
「本刃付け」のはじまり

当ブログで本刃付けについて何度か書き記した後、各刃物屋さんで「本刃付け」の商品が結構出回ってきました。
今回は本刃付けとはどのような形で始まったか?など記したいと思います。

ハッキリ言います!
「本刃付け」の刃物は最初からはありません。

!!!

なんだ、そりゃ~。と思われるかもしれませんが、これもまた一つの事実です。
なぜそうなのかは順を追って記します。

もともと本刃付けの刃物は販売されていません。
というよりも、初期設定で無いというのが正しいかな。
以前、-本刃付けについて1-で、

”「本刃付け」とは何なのか?上手く表現できませんが、それは…
包丁の刃先を鋭く研ぎ上げること。
本気印の刃付け?勝負刃付け?のこと。”

と記しました。
本刃付けは特殊な刃付けなんです。
万人受けするわけではなく、ある一定の用途とスキルをお持ちの方にしか意味が無いものなので、一般市場には出回って無いんです。
どこにあるかって?
それには、本刃付けの始まりを考えて見ましょう。
一般的に販売される刃物は「量産型(標準型)」といえばよいでしょうか。
これを購入した板前さんや料理人の方が、自分好みの鋭いスペックに調整加工(チューニング)して使っていた。
これが「本刃付け」の始まりなのかなと。

でも量産型の刃物を自分好みにチューニングするには結構手間がかかるものです。
だから、御贔屓の使用者の代わりに刃物屋さんがある程度までチューニングして..「本刃付け品」として販売するようになった。
これならすぐに自分好みの刃付けに出来る。またはプロの使用用途にそのまま使えたりするものもあり、即戦力として重宝された。

というわけで、一般市場に出回っていなかった理由をご理解いただけましたか?

上記の理由から、1点物や特注の刃物を除き、最初から本刃付け加工された刃物はありません。
しかしながら、昨今は本刃付けの刃物の鋭い切れ味を求めるお客様が増えてきました。
それに対応すべく、各刃物会社、問屋、金物屋などが量産型をチューニングし最初から本刃付けの刃物を販売するようになったのです。

以下のものは他社の包丁なので銘は伏せますが、お客様よりご依頼があり本刃付けをおこないました。
比較しやすいように刃を向かい合わせるため、右利き用と左利き用の和包丁を並べました。
右用の物が本刃付け品です。左用が量産品というか標準刃付け品。
写真では上手く写らないので申し訳ありませんが、刃先の角度や艶が違って見えるでしょうか?




チューニング前後を見比べてください。
刃先を鋭くするために刃肉を取り、理想的な刃の厚みを実現するように均一化すると、このように研ぎ跡が出ます。



この研ぎ跡は見栄えは少々悪く思えますが、切れ味は抜群です。
本刃付けを理解していない知らない方は「なんだこの中古品みたいなの。」といわれますが、このような研ぎ跡が出るものこそ本物の「本刃付け」といえます。
切れ味を追求し刃先のことを熟考し「刃付け職人が1つ1つ手作業」で研ぎ上げた証なのです。
元々の刃物の形状やお客様の求める本刃付けの形状によって異なることもありますが、大なり小なり研ぎ跡が出るものこそ本物かなと。

1点物や特注の刃物を除き、研ぎ跡がない刃物で本刃付け品と謳う「ナンチャッテ」商品も最近は多いようですのでご購入の際にはお気をつけてください。
これも本刃付けが人気上昇している故の弊害なのかもしれませんね。
それでも、気になったらご購入店舗へどこが本刃付け商品とそうでないのと違うのか聞いてみては如何でしょうか?
貴方が納得できる説明をしていただける店舗様なら安心してお買い求めできます。
そうでないところは...。

それではまた。
以下の過去記事もご参考いただければ幸いです。

-本刃付けについて1-
-本刃付けについて2- 
-本刃付けについて3- 


両刃の刃物について

2012-06-27 | 包丁の切れ味考察
両刃の刃物について

以前、切れ味考察の本刃付け編でもお伝えしたかと思いますが
実は...両刃の刃物には「右利き用」、「左利き用」の刃があります。

なぜ、以前お伝えしたことを改めて書き記すか?
それは、両刃の刃物が右利き、左利きオールマイティに使えるから
左利きの人も両刃を買っとけ!
みたいなあまりにも無責任で知識やノウハウのない包丁・刃物販売店が多いことに驚いたからです。
こんな事書くと業界から目をつけられるかもしれませんが、包丁選びの目安として一知識として知っていただくことがお客様の利益に繋がると思ったから書きます。


一般のお客様にお話しするとあまり知られていないので驚かれますが、両刃の刃物も「右利き用」、「左利き用」の刃付けがあります。
一般的に市中に出回っている両刃の包丁は「右利き用」の刃付けとなっています。
両刃なのに左利きで上手く切れないとお悩みのお客様!
実は、その刃付け貴方に合っていなかったのです。

アバウトな図ですが下図をご覧ください。


なぜ、このような刃になるのか?
それは日本人特有の切り方にその秘密があります。
切り方については食文化の違いもあると以前お伝えしましたが、ここではそれは置いときましょう。
日本人は諸外国、特に欧米に比べ体も小さく力も小さい。
力のある欧米の人は刃物を斧(オノ)的な使い方をします。これで十分切れていました。(力が強いから)
日本人は日本刀、剃刀的な使い方。つまり「引き切り」を多用します。
これは刃渡りを上手く使い効率の良い力を使うことで切れ味を生む使用方法なのです。

実は、この引き切がキモです。
人は「押す力」より「引く力」のほうが大きな力をかけられるのです。(車のハンドルも押すより引いた方が楽に切れますって教習所でも習いませんでしたか?)
この刃物の引き切り動作は右利きの人、左利きの人とでは角度が違ってきます。
包丁を右手で握るか?左手で握るか?
真っ直ぐ狙ったラインで切りたい場合、上記の図で示した専用の刃角が必要なのです。
もし、人に3本目の手があり体の真ん中にあるか、機械にセットしギロチンのように切るののならば5:5の刃角でも良いでしょうが...手で握って使う道具である以上それは難しい。
また、人間工学的にも人は棒状のものを握るとやや手のひらが下を向いた「パーム」状になることがほとんどでは。
これは力の入れ易さ・骨格等と関係があります。
自然体で両手腕を前に差し出して下にダラリと下ろすと手のひらはやや内側・お尻側を向き、甲は斜め外を向きます。
そうです、「ハ(は)の字」形状です。これは、ゴルフや野球、剣道など棒状のものを握る動作に於いてもこの状態が自然体なのです。
この状態で真っ直ぐ狙ったラインに刃先を入れていくのには、右利き・左利きそれぞれに適した刃角が必要であり、同じではダメなのが想像できますよね。
(ここでいう刃角は厚い薄いの刃角でなく左右の取り幅のことです。)

このことからも、市中にある両刃の刃物(基本は右利き用で6:4~7:3ほどの刃角)が右・左利き兼用なんて紹介する業者には疑問を感じます。
勿論、刃角の取り方だけでなく他にも多くの要素はあり各業者のノウハウもありますが、このことを知らないと左利きの人が包丁を研ぐ場合も右利き用の刃にしたり、5:5のセンター刃にしてしまう危惧もあります。
これではせっかくいい道具をご使用になっていても良い結果が出ず損をしてしまいますよね。

左利きで真っ直ぐ切れないとか使いにくいとお悩みの方は最寄の金物屋、包丁屋さん、研ぎ屋さんにご相談ください。
私どものお客様でも、左利き専用の刃で切るとあまりの使いやすさで驚かれる方が非常に多いですよ。


-追伸-
弊社のWEBでも左利きの包丁を販売しております。
販売ページはこちらから→左利き用包丁

また、WEB販売店でご希望の包丁が見つからない場合ももお気軽にご相談ください。
私ども「包丁のトギノン」は製造から販売まで一貫して行っております。
製造元販売ならではのご提案が出来るかとも思います。

今後とも宜しくお願いします。




切れ味考察(パン切編)

2012-05-30 | 包丁の切れ味考察
パン切などの波刃タイプは明らかに直刃の刃物より刃角が鈍角であっても良く切れる。
なぜだろう?
そんなパン切などの波刃(ウェーブ刃)の切れ味の秘密に迫ってみたいと思います。

パン切等は波刃の刃形状をしているものが多く見られます。
それはなぜか?
パンなどは柔らかいスポンジ状で表面が滑りやすい為、刃を食材に当てたときの食い込みが切れ味を左右する。
そのため、パン切は波型となっているものが多い。
なぜ、波型が良いのか?
一般的な直刃タイプの刃では面圧が大きいため食い込みにくい。(波刃は直刃に比べ面圧が少ない)
また、「ひかかり」が少なく滑りやすいため、引き切りしにくい。
下図をご覧ください。

実際に食材に刃を押し当てただけだと見づらく解りにくいと思いますので、ここでは粘土を食材に見立て波刃、直刃の刃を押し当てたとイメージして下さい。
図のような赤い線の「刃型」が付くと思います。
波刃は「点線」
直刃は「直線」となっていますね。
同じ力をかけた場合点線と直線とではどちらが深く入っていくでしょうか?
そうです、点線のほうが直線より深く入ります。それは圧力のかかり方が違うから。
当たる面積が少ないほど力が集中します。これは刃が薄い、厚い包丁でも同じことが言えます。
例えが悪いかも知れませんが、もっと解りやすくすると冬の雪山。ブーツだけだと足は雪の中に埋もれてしまいます。しかし、かんじきなどの雪面歩行用の道具をブーツにつけると埋もれにくくなりますよね。

また、点線のほうが引ききりした場合にひかかるのは想像に難しくないですね。
「ひかかる」のがなぜ良いかというと滑りやすい食材でも刃が滑りにくく「ひかかり」を活かした引ききりが容易に出来る点です。
下図をご覧ください。

刃先が滑らないことが波刃の切れ味の秘密といえます。
また、波形状にすることで刃渡りを長くなる効果の点も切れ味に貢献しています。

そういえば昔、この「ひかかり」の原理を活かした包丁がTV通販で売れていました。
その包丁は直刃だったので、ひかかりを得るため「サランラップ」を食材にまいたまま切っていました。
TV通販的にはパックごと切れるという謳い文句出したが、実はトマトなどの滑りやすい食材はラップで巻いたままのほうが切りやすいんですよ。
海苔巻きなどもそうですね。海苔はすべりやすいのでラップで巻くと切りやすかったりします。
うそではないがより良く魅せる演出なんですね。TV通販はお客様の心をつかむのが上手いなと当時の私は感心させられました。

そうそう、あと一部のお客様で牛刀などの刃渡りのある包丁で食パンを切る際、火で包丁を炙って使われる方もいらっしゃいます。
このほうが切れるというのですが原理としては、包丁を炙ったことによりパンに刃先が食い込む。この時、包丁の熱がパンの水分を呼びますのでひかかりやすくなる。だから滑りにくくなって切れるのです。
間違った方法ではありませんが、あまり何回も炙りすぎると包丁が「なまくら」になりますのでご注意ください。
包丁は硬度を上げるのに1000度前後の熱が必要となりますが、落とすためには200~600度もあれば鈍らになってゆきますので。

パン切などの波刃ならラップ、炙りなしでも滑らずよく切れると思います。焼き豚やローストビーフなどもね。
私ども「包丁のトギノン」にもこだわりのプロの道具「パン・ケーキ用包丁用具」がございます。様々なサイズや形状がありますので参考までにご覧ください。


・・・・実はこの「ひかかり」は包丁、刃物にとって切れ味を左右する非常に大切なな要素なのです。
よく切れる刃物はここがすごいんです。
直刃の刃物もひかかりがすごいのが切れるんです。
よく切れる刃物は「吸い付くように」とか「ぴたっとする」などと表現されるのも「ひかかり」が係ってきています。
この内容は深いのでまた後ほどお伝えしますが、ヒントは「ジセイハッパ」です。
それでは、また。


スチール棒について

2012-01-27 | 包丁の切れ味考察
今回は「スチール棒」についてお話したいと思います。

そうです、お肉屋さんが包丁をカシャン、カシャンとこすり付けて研いでいる金属の棒の事です。
TVや映画など特に外国で多く観られる様子ですね。


スチール棒で研いでいると、なんだかプロフェッショナルになった気分さえしてきます。
しかし、厳密に言うと「研ぎ」という意味ではあまり意味をなしません。
驚かれる方も多いかと思います。プロの人が使っているのに意味が無いとは?と。

それは「日本の高硬度の包丁にはほとんど必要ない。というか、無駄になることが多い。」ということ。

スチール棒は言わば包丁用の「ヤスリ」です。【目】も細かめ、荒めと番手が幾つかあります。
また、ヤスリだから当然、熱処理された金属が使われていますが、日本の包丁も負けないくらい高硬度の熱処理鋼材を使用しています。
つまり、スチール棒の硬度はHRC換算で54~62°くらい。日本の包丁は56~62°くらいのものが多い。
同じようなHRC硬度のもので包丁を削り研ぐことができるのか?
答えはおのずと出てきます。
しっかり、熱処理された包丁は通常ヤスリではほとんど削れませんよ。(研げない)

では、外国の包丁はどうでしょうか?
鋼材の特製や熱処理の方法、食文化の違いから日本の包丁より軟らかいものが多いので有効です。
材質面で見ると外国製の包丁は46~56°のものが多く、十分スチール棒に乗る(削れる・研げる)。

なぜ日本のような高硬度の刃物が必要ないか?それは食文化の違い。生食で食べることが多いか否か。
日本は刺身や野菜も生で食することが多く、食材の切断面にまでこだわる。初めから切り分けられたものを箸で食すことが多い。
外国はぶつ切りしたあと煮たり焼いたりして、ナイフandフォークで切り分けて食する。
ほとんど生で食しません。その理由は、水が悪いからだとも言われています。

また、お肉屋さん特有の使い方で「チョッピング」を多用している点も関係してきます。
チョッピングとは大雑把に言うと、叩き付けるようにぶつ切りすること。
日本の包丁は硬いのでやりすぎると欠けてしまいますが、海外製は柔らかめで欠けるより刃先が波状に曲がることが多い。
この波状に曲がった刃先を「刃ならし」(スチール棒にこすり付け曲がりを修正)するのにスチール棒は有効です。

さらにお肉などを多量に切った場合に切れ味を落とす大きな原因が1つ発生します。
それは、脂(あぶら)です。包丁に脂が巻く(からみつく)と滑って刃先や刀身が食材に食い込んで行きにくくなります。
野菜も実は同様で「アク」が多量に付着すると切れにくくなります。(こちらはすべりが悪くなる方向ですが。) しかし、布や洗剤では刃先の汚れの膜が手早く落とせません。
多量に連続使用するプロ場合、この脂など包丁に付着した不純物を手早くこそぎ落とす、擦り取るのに役立つのがスチール棒なので一般家庭ではほとんど必要ないかも。


また、一概にスチール棒が日本製の包丁が研ぎにくいというわけではありません。
最近はダイヤモンドの粒子をコーティングしたものも出回っています。これなら硬くて遂げなかった日本の包丁も研ぐことができます。
さらに棒の部分がセラミックでできたセラミックシャープナーなるものも市場にはあります。金属ヤスリでは目がつぶれて削れなくなりますが、セラミック=砥石のものですと磨耗して目がつぶれますがつぶれながらも粒子が落ち新しい目が出てきます。減るから金属が削れるんです。金属加工の現場でも熱処理された高硬度のものは砥石で研削するんですよ。逆に生材(熱処理されていない金属)はビットなど超硬刃物で削ります。

もう一つ問題点があります。
慣れてくれば良いのでしょうが、製品の特製上研ぎをする場合に刃角が安定しないこと。
1回1回違う角度で刃物がスチール棒に当たるのは容易に想像できますよね。その結果研ぎムラが出来て野菜を切ったのに繋がっているという場面を良く見ます。
まあ、慣れの問題でもありますが、研ぐだけなら無難に普通の砥石のほうが良いですよ。

それではまた。