包丁のトギノン ブログ

トギノン販売有限会社 包丁の製造販売店のブログです

ギフトショー2010春

2010-01-30 | お知らせ等
第69回ギフトショー


今年もやってきました。
そう、ギフトショー2010開催のお知らせです。

告知が遅くなり大変申し訳御座いません。


■展示会情報■
展示会名称:第69回 東京インターナショナル
        ギフト・ショー
        春2010

開催期間:2/2{火}~5{金} (4日間)
       AM10:00~PM6:00 (最終日の2/5はPM4:00まで)

会場:東京ビックサイト(全館)

主催:㈱ビジネスガイド社

私どもは親会社の㈱清水刃物工業所と一緒になって、計2箇所に展示します。
展示箇所の詳細は以下の通り

①関の刃物組合でいつもお世話になっている
岐阜県関刃物産業連合会
より、

西1ホール
西1289~1297
「関の刃物」にて共同出展します。
関の刃物・包丁の製造、販売、商社等20社ほど出展しています。
包丁、ナイフ、ハサミ、爪切り、アイデアグッズなど伝統工芸品から新商品まで目白押し!
是非、お越し下さいませ。

②新コンセプト包丁:トギノンECO FRIENDLYの開発からお世話になっている
財団法人 オリベデザインセンター
より、

西3ホール
西3057~3060
「オリベデザインセンター」にて共同出展いたします。
こちらの展示は岐阜県の名産、地場産業などから得られた高い技術力をつかい新しいライフスタイルを提案。
がテーマです。
商品群は陶器、家具、包丁・刃物、和紙、石材、金属加工などたぎにわたります。
デザインも洗練された他ではお目にかかれないようなモノばかり。
一度、ご覧になっていただきたい商品です。

-過去の展示例-




私どもの展示は昨年とはちょっと違う展示方法にしました。
トギノンの秘密が....。
おっと、ここまでにしておきましょう。
つづきは、会場でお待ちしておりますので。
是非、触れて感じてみて下さい。価値観が変わると思いますよ。
それでは♪



-熱処理加工について3-

2010-01-26 | 包丁の熱処理加工について
今回は、くべる、蒸すについてご説明します。

まずは「くべる」。
くべるは言うまでもなく火の中に鋼材を入れ火で炙ったりくべたりすることを言います。
具体的な方法としては、下の写真をご覧下さい。

日本刀の鍛錬の様子の写真ですが、炎の中に鋼材を入れ熱処理しています。
温度管理が難しく、鋼材の焼き色や炎の色で温度を判断します。
最も古典的な熱処理方法です。
一度に何本も出来ない、熟練工でないと製品の出来上がりにばらつきが出るなど問題がありますが、これでないとダメという製品もありますから、熱処理は奥が深い。
現代に於いては生産性やクオリティーを揃えたりするに不利なため、ほとんど採用されていません。
1点モノは別ですが。

次は、「蒸す」。
蒸すと聞いても一般的には想像しにくいと思います。
金属を蒸すのには水(スチーム)では温度が低すぎます。
じゃあ、どうやって蒸すのかというと・・・
そう、空気を遮断するのです。

空気を遮断??どうやって?
それは、真空状態の密室状態を作り熱処理をするのです。
方法は2つ。
1.釜の中を真空状態にして加熱する。大気中より温度が高くなる。
2.釜の中に還元性、不活性ガスを注入し無酸素状態を作り熱処理。

どちらも目的と結果はほぼ同じですが、方法(アプローチ)の仕方の違いはあります。

この「蒸す」熱処理が優れているのは直接火を欠けるわけではなく「じわっと」熱が入る。
また、どちらも大気を遮断しているので熱処理をした金属表面にスケール(黒こげた酸化皮膜)が出来にくいことがメリットです。
焼き入れ表面はややつや消し状態になる程度でほとんど荒れない。刃物は焼き入れ後研削してゆくのですが、自動車部品やカッターなどの刃は後から磨く必要のないモノもありますので表面が荒れにくい「蒸す」熱処理をすることが多い。
この写真は無酸化炉の様子。ベルトコンベアー式で自動で熱処理加工がおこなわれます。


次にこの写真は、電気釜です。これは「テンパ」いわゆる焼き戻しをおこなう機械。

例えば熱処理で60°のHRC硬度が出たら焼き戻しで-1~2°落とします。
何故これをするかというと、靱性(じんせい)を出す為。
焼き入れしっぱなしだと、落とすと割れたり、金属疲労が起きやすい。
靱性とは「しなり」でありこれがあると硬くともしなやかな材料となる。
意外とこれをちゃんとやっていない金属加工業もあります。
コストダウンとはいえ見えないところなので省きやすいのはわかりますが、事故が起きてからは遅いのです。
悲しいことですが、現実は作る人、売る人、買う人、使う人が正しい知識がある人ばかりではないのです。

私ども作り手は、少しでもお客様の不安や技術的な違い等をお伝えできるように努力してゆく必要があると考えております。

それではまた。