金印が植物工場で本わさび栽培に成功
加工わさび製品大手の金印(名古屋市、小林伯生社長)は、植物工場での本わさび栽培に成功した。工場内に水が循環するシステムを導入し、栽培が難しいとされる本わさびの生育環境を再現した。金印は大規模プラントを建設して量産化をめざす方針。国内生産量が減少している本わさびの安定調達につなげる。
今後、生産コスト低減の実証試験を続け、植物工場での栽培に適した品種も開発する。採算性を見極めて5年以内に1000平方メートル規模のプラントを建設する考え。使用原料のうち茎の部分については約5割を調達できる体制をつくる。
本わさびには清流の中で栽培する「水わさび」と、土に植える「畑わさび」がある。金印は昨年4月、約3000万円をかけてオホーツク工場(北海道網走市)の敷地内に約66平方メートルの水わさび専用プラントを建設。実験を約1年続け、実用化にこぎ着けた。工場での栽培技術の確立は国内で初めてという。
水わさびが育つ自然環境に近い水流を再現し、栄養分を含んだ水を循環させる。蛍光灯や発光ダイオード(LED)など複数の照明を試した。生育に最適な水温や光源、日照時間を導き出し、通常は1年から1年半かかる生育期間を約3分の2に短縮した。
金印が仕入れる本わさびは約9割が国産。生産者の高齢化や減少が進んでおり、中長期の原料確保に不安が出ている。
本 社 金印株式会社
関連会社
金印わさび 株式会社、金印物産 株式会社
創 業 昭和4年 設 立 昭和27年、 資本金 1億8000万円
代表者 代表取締役社長 小林伯生
本社所在地 名古屋市中川区八幡本通2丁目61番地
TEL(052)361-3121(代)
事業内容
わさびなど食品の製造・販売
わさび製品(生おろし、練り、粉)、生おろししょうが、レホール、マスタード、生おろしにんにく、練り梅、わさび漬、たれ、ドレッシング、スープ類など
そのほか(※)
わさびの健康食品、化粧品、鮫皮おろしなどの販売
※この事業内容は、下記 ISO9001、HACCPの認証登録には含まれません。
認証取得
■ISO9001
登録番号;JQA-QM4435
金印(株)、金印わさび(株)
■HACCP
登録番号;JQA-HA00017
金印(株)、金印わさび(株)
■ISO14001
登録番号;B2007E10062R1M
金印(株)、金印わさび(株)、金印物産(株)(※海外拠点除く)
ブランド認証
■愛知ブランド
愛知県産業労働部地域産業振興課
■ものづくりNAGOYA
名古屋市商工会議所
主な表彰
・農林水産省食品流通局長表彰(昭和57年 (1982))
・厚生省厚生大臣表彰(昭和57年 (1982))
・農林水産大臣賞(平成5年 (1993))
・農林水産省生産局長賞(平成21年(2009))
・農林水産省生産局長賞(平成22年(2010))
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます