李嘉誠氏は英国への投資功績でサーの称号を持つが、個人の投資会社、ホライゾンズ.ベンチャーズを通じて、ハンプトン氏が今回調達した2300万$ノの中核を担った、
卵には問題がたった1つある。食品技術を手掛けるサンフランシスコの新興企業、ハンプトン・クリーク・フーズの創業者、ジョシュ・テトリック氏は「卵はとてつもなく効率が悪い」と話す。
新興国で卵の需要が急増していることを受けて、卵の生産は集約農業で最も急成長している分野だ。テトリック氏は、世界で毎年1兆8000億個の卵が生産されており、ニワトリの餌が卵のコストの70%を占めていることを指摘した。
テトリック氏は、自分ならもっとうまくできると思っている。同氏は、筆者を含む卵好きの食通のほとんどが非常識で我慢ならないと考えること、つまり卵を植物性タンパク源に置き換えるために、テクノロジー業界で有数のベンチャー支援者らから資金を調達した。
実際のところ、この目標の売り込みは控えめだ。ハンプトン・クリークは卵を「超えて」、さらにおいしく、コレステロールゼロで、日持ちが良く、より生態学的に持続可能かつ人道的で、卵入りの同種製品よりはるかに安い卵なしの食品を作ろうとしている。
これは壮大な目標で、テトリック氏も実現には遠いことをしぶしぶ認めている。だがハンプトン・クリークはいわゆる「食品工学」の力を示すのに十分な進歩は遂げている。来年2月に発売予定のハンプトン・クリークのクッキー生地を例にとると、ブラインドテストで筆者はテトリック氏のクッキーと卵入りのクッキーの違いが分かった。
卵入りのものはやや茶色っぽい。ただ、筆者は卵なしのクッキーの味と食感の方が好きだ。甘すぎず、やや塩気があり、サクサク感と歯応えのバランスが絶妙だ。 また、このクッキーは生地によるところが大きい。生地に卵が含まれていないため、わざわざ焼く必要がない。実際にハンプトン・クリークの製品は「Eat the Dough(生地を食べる)」という名前だ。アイスクリーム売りから購入するアイスのように、ふたにスプーンがついた容器で販売される。テトリック氏は、アラバマ州バーミンガムで「鶏手羽肉と軟骨」を食べて育ったが、今は完全菜食主義者だ。ハンプトン・クリークを設立した動機の1つは動物愛護だが、同氏はこの会社の目標を大っぴらに掲げないよう注意している。「そうすると市場で勝ち目がなくなる」という。 テトリック氏がより優れた卵の代用品を作ることには、数多くのもっと現実的な理由がある。テクノロジー業界でよく言われている侮蔑的な言葉を借りれば、卵はスケールメリットが得られない。
テトリック氏は、卵の生産量を永久に増やし続けるにはあまりにも多くの資源が必要になると主張し、テクノロジー業界の数人の著名人に自身のミッションへの参加を促している。ハンプトン・クリークには、コースラ・ベンチャーズやビル・ゲイツ氏、ピーター・ティール氏のファウンダーズ・ファンドなどが出資している。
テトリック氏は「他の物を検討するのがばかばかしくなるくらい、徹底的に価格を底値まで下げたいと思っている」と語った。
。生化学研究開発部門の責任者、ジョシュ・クレイン氏は、同社の卵代用品戦略を製薬会社が病気と闘う時に使うプロセスになぞらえる。研究所では毎日、卵と同様の有用性を求めて、多数の新しい植物種を選別している。データベースを武器に、卵を使わない新しい食品を作るために植物を掛け合わせたりマッチさせたりし、その後、試作品を作り、味見をするという作業の繰り返しだ。ある意味、ハンプトン・クリークはソフトウエアのように食品を扱い、多種多様な植物からさまざまなコードの断片を取り入れている。これは食品の新しい数学的な考え方だ。「加工食品」を拒絶する人々の感覚を混乱させるものの、最終的には地球のために持続可能でおいしく、健康にも良く、手頃な価格の食品を提供するという夢を実現するかもしれない。今のところ成果は上々だ。ハンプトン・クリークは、素晴らしい乳化力を持つ特殊な黄色エンドウ豆を発見した。同社はこれで作ったマヨネーズは味覚テストで有名ブランドを上回ると主張している。 このマヨネーズは、卵を使った市販品と比べ非常にクリーミーで、味はさっぱりとしてあまりきつくない。
テトリック氏は、量産することで卵なしのマヨネーズの価格を従来品より10%下げることができると話す。米国各地にある自然食品チェーン、ホールフーズの店舗の多くは価格を理由に、(ポテトサラダなど)店で調理する食品に使うマヨネーズをハンプトン・クリーク製に切り替えた。だが小売価格はさほど安くない。ホールフーズの店舗の大半では1瓶3.50~4.49ドルで販売されている。これは卵入りマヨネーズとほぼ同じ価格だが、テトリック氏は自社製品の価格を大幅に引き下げる余地はあると述べた。
ハンプトン・クリークの次の目標は、炒めるとスクランブルエッグができる液卵の代用品を開発することだ。現時点でこの製品は試作段階に入っている。同社の科学者の1人が筆者のために手早く調理してくれたが、やや硬く、ざらざらしており、卵というより柔らかいクレープのような感じだった。 しかしテトリック氏は、完璧な卵なしのスクランブルエッグを間もなく開発できる、
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます