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携帯プラウザ大手,UC優視、アリババと合弁、モバイル検索「神馬」、百度に挑戦

2014年05月31日 16時25分10秒 | thinklive

*スマホ検索が今後の検索市場でパソコン検索を上廻ることは確実、UC、アリババ連合の挑戦は不退転の挑戦、突出領域の選択が重要?

・中国の電子商取引大手、アリババが、中国のモバイルブラウザ大手UC優視(UCウェブ)と組み、スマホユーザー向けに新たな検索サービスを導入する。
・両社は合弁会社「シェンマ:神馬(Shenma Inc.)」を設立し、UCウェブが過半数を出資する。新会社には検索大手の百度(バイドゥ)や米グーグルで働いた経験を持つスタッフが雇用される見込みだ。
・アナリストらは、スマホ利用者はモバイルアプリにより多くの時間を費やす傾向があるため、スマホ検索サービスの事業機会が拡大する可能性があると指摘している。

■ Skipper Johnのコメント
中国のモバイル検索市場シェアは、百度(Baidu)がトップで37.5%、2位にはテンセントの搜搜(SOSO)が16.7%、3位は宜搜(easou)が15.7%、4位易査(YiCHA)が11.2%、5位搜狗(Sogou)が7.4%、そして第6位にGoogle中国が6.3%です。ただ、百度はPCケン策で68%のシェアがあるので、モバイル検索ではそこまでの寡占状態を築けておらず、参入の余地がないわけではありません。
【中国検索市場】百度がトップシェアもモバイルは混戦

中国モバイルブラウザ大手のUC優視は、ガラケー時代から携帯端末上でのウェブ閲覧ブラウザでシェアを伸ばしてきました。
UC優視の兪永福董事長は、すでにUC優視のブラウザが全世界で5億人以上のユーザがいて、毎月の検索回数は60億回を超えると述べています。また、モバイルでの検索回数はPCからのそれに近づきつつあり、近々PCを超えるとのこと。
UC优视联合阿里巴巴发布"神马"搜索引

今日のニュースでは、アリババと中国のUC優視(UCウェブ)が合弁会社を設立し、スマホユーザー向けに新たな検索サービスを提供すると伝えています。

検索サービス名は「神馬(Shenma)」です。「神馬」の中国語の発音は「sehn2 ma3」で、日本語の「なに?」を意味する中国語の「什么(shen2 me0)」とよく似た発音のサービス名にしています。例えば、中国の検索エンジンで「AAAA」を検索するとき、「AAAA是什么」と入力します。新社名はこの「什么」をもじって付けられたようです。

さて、神馬の総裁にはUC優視のCTOである梁健が就任する予定です。実際には、アリババとUC優視は2013年に神馬を設立、アリババが30%、UC優視が70%出資していました。今回は更にモバイル検索エンジンの普及を加速する目的があるようです。

スマホ時代になって、PC検索エンジンのやり方が通用しなくなってきました。特に広告関連の設計やトラフィック対応は大きく変化しました。また、ブラウザ開発と検索エンジン開発は別ものであり、神馬一社の中でこれを完結させて百度やマイクロソフト、360への対抗を図る予定です。
また、最近のスマホ検索は、アプリ検索や買いたい商品の検索、及び小説の内容検索も求められています。加えて、siriでおなじみの音声検索や、スマホからの画像検索もPCと同じような精度が求められます

こういう検索機能をブラウザと合わせて一気通貫で開発し提供しようというのが神馬の狙いです。また、アリババは検索エンジンやブラウザは不得意な分野ですから外部の力を借りる必要が有り、ブラウザ大手のUC優視と組むことになりました。
とはいえ、冒頭でも紹介した通り、モバイル検索でも百度が1/3以上の市場を占めていますし、15%前後のシェアを占める会社が3社以上ありますから、モバイル検索市場の競争が更に激しくなります。


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