*株価推移 512前日比-1(-0.19%)
1株利益58.83 配当6 利回り3.12
センコー(本社=大阪市)は7月31日、「フレッシュ便(冷凍・冷蔵小口混載輸送)」で全国展開するランテック(本社=福岡市、資本金5億1900万円)を買収すると発表した。センコーの量販・小売分野をはじめとする物流ノウハウと、ランテックの定温物流のノウハウを一体化させ、国内外での冷凍・冷蔵事業の拡大というシナジー効果を狙う。
ランテックは1961年4月創業。キャブ上部に冷凍機が張り出している「前出しエバポレーター」をはじめとする冷凍・冷蔵輸送設備を開発するなど、冷凍輸送業界のパイオニア的存在で、冷凍・保冷車(JR冷凍コンテナ含む)を主体とするトラック台数は1000台余り保有。九州から関西、関東、東北地区まで全国31カ所の拠点を設置し、定温物流の全国ネットワークを構築している。
89年からトラック輸送から鉄道輸送へのモーダルシフトの転換を進め、全幹線輸送量の3、4割を鉄道コンテナ輸送へシフトさせるとともに、全てのコンテナにGPS動態温度監視システムを搭載した。
同システムは、扉の開閉状況・温度・位置もリアルタイムに監視し、冷凍機のオン・オフも遠隔操作が可能。コンテナ自体で振動を吸収する免震構造の「ロボットコンテナ」と称するハードも開発し、このハードとソフトが支えるフレッシュ便は、365日年中無休運行、AM配送などといったサービスで右肩上がりの成長を遂げてきた。14年3月期売上高は400億5100万円。
今回、「故高谷孝会長の死去に伴い、その遺志に基づいてその持株全株をセンコーに売却した」もの。創業家から発行株式の29・8%を譲受、関係会社の光輝(本社=福岡市)からも17・9%の株式を譲り受け、ランテックの議決権総数の47・7%を取得して連結子会社とする。買収額は41億6000万円。
取締役の半数以上をセンコーは派遣するが、ランテックが永年にわたって築き上げてきた定温輸送におけるブランド力を最大限に発揮するため、社名及び商品名(フレッシュ便)は現行通り残し、取引先との関係を尊重しながら従来通りの業務を続けていく。
ランテックの連結開始は10月を予定。ランテックの持つ冷凍・冷蔵機能を活用することで、3温度帯物流の基盤を確立し、量販・小売業界や食品業界の顧客の深耕・拡大を図ることで、さらなる市場開拓を目指す。また、国際物流戦略と連携させ、海外での冷凍・冷蔵事業の拡大を図る考えだ。
ランテックとしても、センコーが全国に配置する物流センターや営業基盤を活用し、冷凍・冷蔵事業における営業開拓を進めるといったシナジー効果を出していく。
*センコーは、(大阪市北区)総合物流企業である。貨物自動車運送事業のみならず、鉄道利用運送事業、海上運送事業、国際物流事業、倉庫事業など幅広い物流サービスを提供している。旭化成、積水化学工業、積水ハウスが大荷主であり、合成樹脂のバルク輸送や住宅建材輸送を手がけている点も特徴の一つである。
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