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サウジアラビアのパブリック・インベストメント・ファンド、ポスコ建設の38%の株式1兆2400億ウオン買収

2016年10月14日 17時13分01秒 | thinklive

ポスコがサウジアラビアの政府系ファンドであるパブリック・インベストメント・ファンド(PIF;Public Investment Fund)へポスコ建設の持分を売却し、約1兆2400億ウォンの海外投資を誘致した。

6月15日に権五俊(クォン・オジュン)会長とアブドラマン・アル・モファディ(Abdulrahman Al Mofadhi)PIF総裁は、仁川松島ポスコ建設社屋でポスコ建設の持分38%の譲渡契約を締結した。

この場で権五俊会長は「遠い旅に出る前に正しい連れ人を選ぶ」というアラブのことわざを引用し、「韓国が‘コリア’という名で西洋に知られたのは、高麗時代にここ松島からわずか50?q離れた礼成江河口碧瀾渡に訪れたアラブ商人が、そのきっかけだった。今回、韓国とサウジアラビアが一緒に未来を切り開けるようになったことも、両国間の1000年を超える歴史的交流があったからこそ、可能だった」と歴史的な背景と意味を強調した。

今回の本契約は、昨年8月末にPIFの買収意向書(Indicative Offer)を受け付けた後、実査と交渉を経て9ヶ月ぶりに成し遂げた結果で、両社は今年3月朴槿恵(パク・クネ)大統領の中東4カ国歴訪期間中に、サウジアラビア首都リヤドで戦略的協力に関する了解覚書(MOU)を締結している。当時サウジアラビアを訪問した朴槿恵大統領が両社の協力事業に深い関心を表明し、政府レベルでの積極的な支援が続いて中東4カ国歴訪の最大の成果として評価されている。
サウジアラビア政府は、最近急変しているエネルギー市場の環境変化に対応するべく、PIFを中心に社会間接資本の投資、自動車産業などの産業インフラおよび製造業を育成する計画を立てており、政府系ファンドのPIFはその事業パートナーとして韓国の経済成長の基礎を築いた経験と競争力を有しているポスコを選択した。

2008年に設立されたPIFは、サウジアラビアの主要製造業および産業インフラ分野に投資しており、資産規模は3000億ドル(約330兆ウォン)に達する。元々財務部傘下の政府系ファンドだったが、今年新しく就任したサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王が政府組織改編を断行して経済開発委員会(CED)傘下に移した。CEDは国王直属機関で、石油部・財務部など、22人の大臣からなり、サウジアラビアの経済開発を総括している。

PIFから投資を誘致したポスコ建設も資本金の拡充による財務健全性の強化やグローバルスタンダードに相応しい透明な経営管理体制の構築という一石二鳥の効果を得ることができた。

ポスコ建設はここ3年間連続で負債比率を下げており、今回のPIFの投資誘致に伴う有償増資で財務構造の改善と信用格付けの上方修正などの前向きな効果が発生するものと期待される。またPIFが選任した2人の理事がポスコ建設の経営に参加することで、非上場会社としては珍しく、国際規格に準拠した経営の透明性と運用システムの効率が図れるようになった。

今後、双方はサウジアラビア国営建設会社を合弁会社(Joint Venture)として設立し、サウジアラビア政府が発注する鉄道・ホテル・建築など、サウジアラビアの主要建設産業に共同で進出する予定だ。

一方、ポスコは今後PIFと新規協力事業を継続的に発掘し、両社間の運営委員会(Steering Committee)を通じて自動車、情報通信技術であるICT(Information and Communications Technologies)、民間資本発電事業であるIPP(Independent Power Plant)事業などへと協力分野を拡大していく計画だ。

チョ・ウヒョン woohyun@posco.com


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