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0107、福島原発におけるプルトニウムの残存量推定、数tレベル、

2011年08月05日 15時27分42秒 | thinklive

福島第一原発に存在するプルトニウムの量を推定する*要約

単純化のため、原子炉内部の燃料もすでに完全に燃えてしまっていると仮定する。何年分の使用済み核燃料が福島第一原発に保管されているのか?これは再処理工場への輸送状況を見ればわかるはずだが手元に情報がない。

ただ、貯蔵量が年々増えている。再処理が滞っていることが想像できる。仮に2年分の使用済み燃料が原発敷地に保管されているなら、160*2=320トンの使用済み核燃料が原発内にある。使用済み核燃料の質量のオーダーは数百トン程度と推定して差し支えあるまい。

使用済み核燃料の成分は、プルトニウムが1%, 核分裂生成物が3%である。仮に福島第一原発に使用済み核燃料が320トンあれば、プルトニウムが3.2トン、核分裂生成物が9.6トンとなる

もちろん上は単純すぎる試算である。実際にはウラン238中性子を吸収してプルトニウム239に変わり、これが核分裂する、などという反応も起こる。また、3号機は、ウラン燃料にプルトニウムを加えたMOX燃料を燃やすプルサーマルである。ただプルトニウムが数トン存在するという結論には変わりないだろう。数百キロでも数十トンでもなく、数トンだろうというのがポイントである。

実際には、5号機・6号機は安定状態にあるようだし、これら数トンのプルトニウムすべてが危険な状態にあるわけでもないだろう。しかしプルトニウムは1トンにつき、2300テラベクレル放射能をもつ。しかも半減期が2万4千年と長く、いちど高濃度の汚染が起これば取り返しがつかない。プルトニウムは非常に重い物質なので、遠くへ飛散することはないというが、漏れれば原発周囲に深刻な環境破壊をもたらす。今後も注視していく必要があろう。


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