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20071、メガソーラバブル。買取値42円は家庭向け料金の1.8倍、ベラボーな、と言いたい

2012年11月04日 11時01分49秒 | thinklive

*買取料金が家庭の電気料金の1.8倍、原価ですよ!ムシラレル国民の財布?

ロイター*12/10/31

牽引するのは7月に始まった再エネの固定価格買い取り制度(FIT)だ。太陽光や風力など再エネによる電気の全量を国が定める価格で長期間買い取ることを電力会社に義務づける。最初の3年間は再エネ設備の設置者の利潤に特に配慮することが法律で定められており、初年度の太陽光の買い取り価格 (出力10キロワット以上、20年間) は1キロワット時当たり42円と、一般家庭向けの料金の1.8倍の水準に設定された。

経済産業省によると9月末時点で認定されたメガソーラー(出力1000キロワット以上)は218件。地方自治体が遊休地を活用してもらおうと企業を誘致し、企業側も42円という破格の買い取り価格にひかれて相次ぎ参入している。ゴールドマン・サックス証券アナリストの渡辺崇氏はメガソーラーは「リスクが低い割にはリターンが高く、不動産よりもリスクが低い金融商品」と位置付ける。

メガソーラー計画に顔を出すのは、ソフトバンク、丸紅、三井化学、近畿日本鉄道、オリックスなど多彩だ。立地では北海道、鹿児島県、福岡県、鳥取県、山口県などが上位を占める。「全事業会社、全地方自治体がメガソーラーの設置や土地の貸し出しを検討しているといっても過言ではない」(渡辺氏)状況で、地方活性化の起爆剤になるとの期待もある。ただ「政府公認の利回り保証」の原資は国民負担によるもので、持続性に不安も漂う。

 FIT開始による需要拡大で稼働率が上昇した太陽電池メーカーの収益は改善傾向にある。前年度は赤字だった三菱電機が「(今年度は)黒字を見込める」(朝日部長)ほか、京セラも黒字化の見通しとされる。前年度は289億円の赤字だったソーラーフロンティアも「今年度第4・四半期(10─12月)はEBITDAで初めて黒字化できるのではないか」(亀田社長)という。ただ、買い取り価格は毎年見直される予定で、来年度以降の水準次第では長期的な収益確保へのハードルが高まる。

 太陽光発電が将来、一定程度の電力供給を担うようになるには、メーカー各社が発電コストを低減し、まずは家庭向け電気料金と同等以下になる「グリッド・パリティー」の実現が必須となる。政策に頼らず自立した産業に脱皮するための条件でもあるが、業界関係者は2015年頃には実現可能との見方でほぼ一致する。中国など海外勢を交えた競争は激化する見通しだが、太陽光を電気に変える変換効率の向上やシリコンなど原材料価格の低下が後押しする。一方で電気料金は火力発電の増加により上昇傾向をたどるとみられ、発電コストとの差は縮まる。三菱電の朝日部長は、「ある程度の線が見えてきた。素材コストがここまで下がったら(グリッド・パリティーに)行くのではないか」と話す。2015年が自立化の節目となりそうだ。

 調査会社NPDソーラーバズのアナリスト、淳子モベヤン氏も、日本の買い取り価格は高く「バブルを引き起こすモデルとなっている」と警告する。むしろ米カリフォルニア州の支援制度に学ぶべきと力説する。「需要が大きくなればなるほど補助金が下がる。需要が上がればコストも下がり補助金もそれほど要らなくなるから(負担が)落ちていく」。07年の制度開始当初はワット当たり3ドルだった補助金はいま20セントまで落ちたという。

 そもそも日本版FITには不確定要素が多い。ソーラーフロンティアの亀田社長は「FITは3年間以降、本当にあるのかどうか分からない」と不安を隠さない。野田政権が9月に示した「脱原発」方針が、総選挙後の新政権よって覆され、再エネ促進政策が大幅に後退する可能性も否定できない。毎年更新される買い取り価格の動向も見通しにくい。

 

 


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