米労働省労働統計局によると、景気が回復しても、新たなビジネスによって雇用は以前ほど創出されてはいない。米国経済は長きにわたり過剰な生産能力を抱えていたにもかかわらず、過去の同様な時期と比べて、倒産する企業が少ない。企業の利子支払い費用はかつてないほど低くなっているが、債務返済に苦労する米ゾンビ企業が増えている。
経済協力開発機構(OECD)は2016年、先進国企業の1割がゾンビ企業だと発表した。 *1割は ちょっと低すぎるのでは、予備軍を含めれば,その倍はありそうである、
「あまりに多くのリソースが生産性の低い分野やゾンビ企業に投じられたままなら、ある特定の革新的ビジネスへの投資が与える好影響の広がりが阻まれることになる」と、経済学者のフィル・モーラン氏は書いている。そして、生産性が向上しなければ、労働者の所得も持続的に伸びることはない。
国際決済銀行(BIS)によると、リーマン・ショック後、ゾンビ企業の増加やその生存率と、金利低下との間には密接な関係が見られるという。この現象は1990年代、「バブル経済」崩壊後の日本で初めて確認された。当時、日本銀行はゼロ金利政策を始動させた。ゾンビ企業は昨今、寿命が延びたとBISは指摘する。それは、債務を減らす圧力に以前ほどさらされなくなった、からでもある、