歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

橿原市・藤原宮跡 国内最古の大嘗宮の建物跡などを発見

2010年07月01日 | Weblog
 奈良文化財研究所は1日、藤原宮跡(694~710年)で天皇の即位に伴う重要儀式「大嘗祭(だいじょうさい)」が行われた「大嘗宮(だいじょうきゅう」の一部とみられる建物跡などが見つかったと発表した。大嘗宮は過去に平城宮跡で確認されているが、藤原宮跡では初めてで、国内最古となる。
 発掘調査は4~6月、朝堂院の広場「朝廷」の約1500㎡で実施。東西12m(5間)、南北3m(1間)の建物跡と、それを取り囲む外塀跡、内部を区画する四つの内塀跡、二つの門跡が確認された。
 大嘗宮は、東側の悠紀院(ゆうきいん)と西側の主基院(すきいん)の2つの斎場からなり、見つかった遺構は悠紀院の北半分にあたる。建物跡は儀式用の穀物を準備する膳屋(かしわや)にあたるという。
 天皇は毎年11月、神に新穀を供えて収穫を感謝する祭り「新嘗祭(にいなめさい)」を行っていた。天皇が即位後に最初に行う「新嘗祭(にいなめさい)」を「大嘗祭」とし、儀式を行う仮設建物の大嘗宮が造られ、終了後は解体された。
 日本書紀などから、大嘗祭の儀式は天武~持統朝(673~697年)に整備されたと推定され、藤原宮では文武天皇(697年即位)と元明天皇(707年即位)が即位し、大嘗祭を営んだことが続日本紀に記されており、今回の遺構は、いずれかの大嘗宮だった可能性が高い。
 一方、平城宮跡(710~784年)の朝廷では、6代の天皇の大嘗宮跡が確認されている。
 現地見学会は3日(土)午後1時半に開かれる。
[参考:産経新聞、毎日新聞、時事通信]
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

稲沢市・一色青海遺跡 着色されたシカが描かれた弥生時代の土器が出土

2010年07月01日 | Weblog

一色青海遺跡出土「鹿の絵画土器」。 2011.6.14「発掘された日本列島2011」(江戸東京博物館)にて撮影。

 愛知県埋蔵文化財センターは1日、稲沢市の一色青海遺跡(いっしきあおかいいせき)で、着色したシカが描かれた弥生時代中期(紀元前100年前後)の土器が出土したと発表した。出土したのは昨年の平成21年12月15日。それ以降、奈良文化財研究所により鑑定を行っていた。
 砲弾の形をした筒形土器の一部で、幅約4cm(復元径5.2cm)、残存高さ約9cm。本来は、口縁部を斜めに切り落としたような形状で、底部はおそらく丸底であったと推定している。
 鹿は外面に描かれ、6頭が右を向いて縦に並んでいる。最も鮮明な鹿は幅3.3cm、高さ2.5cm。赤色の顔料ベンガラで塗られており、顔料を用いた弥生時代の絵画土器としては、福岡県筑前町の大木遺跡92号甕棺(弥生中期前葉)で出土した黒色の鹿に次いで2例目という。線刻が通常の線刻土器よりかなり浅いため、下書き用で、最初から色を塗ることを想定していたとみられるという。筆のようなものを使った可能性があるとしている。顔料のベンガラは地下水に含まれる鉄分を精製して作ったのではないかとみている。
 同遺跡では平成15年度の調査で、線刻で鹿を描いた土製垂飾が出土しており、鹿の絵としては今回が2例目となる。
 弥生時代の絵画土器はこれまで600例ほどあり、そのうちの4割が鹿の絵という。ただし、鹿に限らず、これまで出土している絵画土器のほとんどは、線刻による。
[参考:時事通信、毎日新聞、朝日新聞、愛知県埋蔵文化財センター]

着色されたシカの絵=弥生時代の土器出土―愛知・一色青海遺跡(時事通信) - goo ニュース



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする