今月10日に読売新聞と朝日新聞、そして昨日15日に下野新聞のニュースで採りあげられた『円仁とみられる名前の刻まれた石板(「円仁の石板」)が中国河南省登封市の法王寺で見つかる』に関しては、非常に興味が高かったようです。
今日國學院大學(東京都渋谷区)では、その確認を依頼され法王寺に行かれて調査をされた、國學院大學栃木短期大学・酒寄教授の報告を聴きに行ってきました。
当初200人位を予想していたものの、実際は約300人の会場にも入り切らず、補助椅子を増やしても立ち見が出るほどの盛況でした。
進行については、下記のとおりです。
第11回入唐求法巡礼行記研究会
〔日 時〕 2010年7月16日(金)16:30~19:20
〔会 場〕 國學院大學 常磐松ホール
【報 告】
「入唐僧円仁に関する新出資料-中国法王寺釈迦舎利蔵誌の調査と検討-」酒寄雅志 (國學院大學栃木短期大学)
《 コメント 》
石見清裕 (早稲田大学教授)・・・舎利蔵誌の発見に寄せて
佐野光一(國學院大學教授)・・・法王寺釈迦舎利蔵誌の書法と文字
塩澤裕仁(法政大学教授) ・・・周辺の交通事情と地理環境
鈴木靖民(國學院大學教授)・・・法王寺釈迦舎利蔵誌の問題点
《 司 会 》
佐藤長門(國學院大學教授)
結論としては、今話題になっている『不起訴不当』よりは上、『起訴相当』に近い、すなわち「円仁に相当する」ものと思われます。
今件に関しては、中国网络电视台からインターネット配信されている1番組38分の3番組「法王寺古刹秘史」を見て勉強していたので、ある程度のところは理解できました。
一番驚いた、あるいは初めて知ったことは、円仁銘のある石板が初めに置かれていただろう二号塔地宮の中から発見された迦陵頻伽(かりょうびんが)形合子(玉石盒、長さ5.3cm、高さ4.3cm、唐時代8~9世紀)には真珠61顆粒、料珠113顆粒、玻瑠珠1枚が入っていたそうで、これが真身舎利ではないかとのことでした。この真身舎利と思われるものは法王寺の元に帰したそうです。そして、迦陵頻伽形合子(中国では、迦陵頻伽盒あるいは飞天舍利盒とも)は、7月6日から始まっている東京国立博物館「誕生!中国文明」(~9月5日まで)で展示されています。
侍女のような飛天のような形をした人頭の鳥。両手に持ち口にパイプをくわえているものは「笙(注1)」らしいです。当時の笙はパイプのようなものが付いていたようです。
(注1)笙を萧ともしているが、萧は縦笛なので似つかない。
「誕生!中国文明」展では、法王寺の地宮から出土した品がこのほかに、青銅製鍍金香炉、黒陶鉢5口、黒釉把手付瓶、白磁製品5口が展示されています。
白磁については、中国側のインターネット映像および資料では白釉と記されていましたが、実物を見ると、釉薬が塗られていない高台の下部や合子の内面なども白い生地であり、本当に白磁であることがわかります。やや乳白色気味の白の美しさが永輝であったことに感動しました。
「円仁」の名刻んだ石板発見=遣唐使の足取り示す―中国河南省の寺(時事通信) - goo ニュース
今日國學院大學(東京都渋谷区)では、その確認を依頼され法王寺に行かれて調査をされた、國學院大學栃木短期大学・酒寄教授の報告を聴きに行ってきました。
当初200人位を予想していたものの、実際は約300人の会場にも入り切らず、補助椅子を増やしても立ち見が出るほどの盛況でした。
進行については、下記のとおりです。
第11回入唐求法巡礼行記研究会
〔日 時〕 2010年7月16日(金)16:30~19:20
〔会 場〕 國學院大學 常磐松ホール
【報 告】
「入唐僧円仁に関する新出資料-中国法王寺釈迦舎利蔵誌の調査と検討-」酒寄雅志 (國學院大學栃木短期大学)
《 コメント 》
石見清裕 (早稲田大学教授)・・・舎利蔵誌の発見に寄せて
佐野光一(國學院大學教授)・・・法王寺釈迦舎利蔵誌の書法と文字
塩澤裕仁(法政大学教授) ・・・周辺の交通事情と地理環境
鈴木靖民(國學院大學教授)・・・法王寺釈迦舎利蔵誌の問題点
《 司 会 》
佐藤長門(國學院大學教授)
結論としては、今話題になっている『不起訴不当』よりは上、『起訴相当』に近い、すなわち「円仁に相当する」ものと思われます。
今件に関しては、中国网络电视台からインターネット配信されている1番組38分の3番組「法王寺古刹秘史」を見て勉強していたので、ある程度のところは理解できました。
一番驚いた、あるいは初めて知ったことは、円仁銘のある石板が初めに置かれていただろう二号塔地宮の中から発見された迦陵頻伽(かりょうびんが)形合子(玉石盒、長さ5.3cm、高さ4.3cm、唐時代8~9世紀)には真珠61顆粒、料珠113顆粒、玻瑠珠1枚が入っていたそうで、これが真身舎利ではないかとのことでした。この真身舎利と思われるものは法王寺の元に帰したそうです。そして、迦陵頻伽形合子(中国では、迦陵頻伽盒あるいは飞天舍利盒とも)は、7月6日から始まっている東京国立博物館「誕生!中国文明」(~9月5日まで)で展示されています。
侍女のような飛天のような形をした人頭の鳥。両手に持ち口にパイプをくわえているものは「笙(注1)」らしいです。当時の笙はパイプのようなものが付いていたようです。
(注1)笙を萧ともしているが、萧は縦笛なので似つかない。
「誕生!中国文明」展では、法王寺の地宮から出土した品がこのほかに、青銅製鍍金香炉、黒陶鉢5口、黒釉把手付瓶、白磁製品5口が展示されています。
白磁については、中国側のインターネット映像および資料では白釉と記されていましたが、実物を見ると、釉薬が塗られていない高台の下部や合子の内面なども白い生地であり、本当に白磁であることがわかります。やや乳白色気味の白の美しさが永輝であったことに感動しました。
「円仁」の名刻んだ石板発見=遣唐使の足取り示す―中国河南省の寺(時事通信) - goo ニュース