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慶南陜川郡将台里陶窯跡 朝鮮時代粉青沙器窯を発見

2010年07月28日 | Weblog
 (財)東西文物研究院は28日、昨年12月から発掘調査を行っている陜川郡(합천군)佳会面将台里(가회면 장대리)で、朝鮮時代初期に粉青沙器(분청사기)を作った窯跡1基と廃棄場2基、工房跡5基を発掘したと発表した。
 廃棄場と工房跡などから、文字が記された「銘文粉青沙器」 約20点なども見つかった。
今回発見された窯は、全長25m、幅2.4m~0.6mの大きさで、天井の部分が一部崩壊されているが、全体としては保存状態が良好。
 特に、世宗実録地理志(세종실록지리지)に記述されている「三加長興庫」という文字が、今回発掘された粉青沙器にも残っていることが確認され、ここが朝鮮時代の沙器中「中品」を製作した窯であることが明確になったとする。
 他に確認された銘文文字は「仁壽」、「善司」など。
[参考:聨合ニュース、慶尚조은ニュース]

備考: 慶尚조은ニュースに添付されている写真の銘文粉粧沙碗は安宅コレクションの「粉青沙器印花 菊花文 三耳壺(「長興庫」銘)」(15世紀前半)と似ている部分が多い。茶色の生地を用い、胴を埋め尽くす印花、裾には形が違うが蓮華文があり、長興庫の銘がある。「興」の文字が簡略化されているのが特徴。いわば、「粉青沙器印花 菊花文 碗 あるいは平鉢(「長興庫」銘)」というような器である。
 三加は三嘉の略字。高麗の時に、三岐県と嘉樹県に分けられていたが、朝鮮太宗14年(1414年)に最初の文字を取って三嘉と呼んだといいい、三嘉県が出来た。1914年陜川郡に併合されて今日に至っている。

過去のニュース・情報
 2009.11.16釜山長安邑 朝鮮時代の粉青沙器窯跡を発見、蔚山長興庫銘を確認


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