カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

シトロンサレ

2011年05月14日 | 京都
「ブルーチーズ、と、マカロン。」

一見、ちょっと失敗してしまったのかなと思うような、
そんなパーマをかけて学校に来る女の子を見掛けたことが、
むかしあったし、今も街で、稀にある。

否応なく周りから浮いてしまう、そんな奇抜なカラーとカール、
そしてそれを自覚している彼女自身の漂わせる雰囲気。
時に怖気づき、おずおずと、
しかし、時に自信が湧いてきて、堂々と、ワイルドに、
だが、彼女がどんな態度をとろうとも、
それに対して、見ただけで顔を顰める人間は、やはりいるし、
いくらか仲良くはしていても、
残念ながら、その美意識に関しては否定的な、そんな人もいる。

そうではなくとも、理解のある、
ましてや褒める人間など、かなり稀で、
実際、そういう行為、その要素の持つ意味を、
好ましいと心から思える人間の絶対数、
それは、カゲロウが世の中に絶望し、
悲しくなってしまう程に、少ない。
本当に、少ない。
既成の概念が何よりも尊重され、
良かろうと悪かろうと、過ぎた個性は歓迎されない、
常識と名付けられたそんな空気が、この社会を覆っている。

そんな彼女の個性を、ただ在りのままにというのでもなく、
お互いに意識して、その意味をくみ取り、尊重できるのは、
もしかすると、他でもない自分だけなのではないかと自惚れてしまう、
それ程に、多く世間を覆う価値観というのは、狭量だ。

だがしかし、そんな彼女をわかってあげられるのは、
ものを見る眼のある自分だけだなどという奢った考えは、おおよそ勘違いで、
彼女は彼女なりに、多くの人からそれなりの反感を買うことを覚悟しつつ、
強く根拠を抱いてその主張、その美を誇示しているのであって、
意外とそれは、此処ではない別の国ではトラディショナルなものであったり、
もしかすると、まだ日の目を見ることのない、
最新のファッションであったりする、そんな場合も、多々ある。
何のことはない、おおよそは、それにカゲロウの認識が追いついていない、
ただそれだけのことなのだ、現実は。

例えば、ブルーチーズの風味のする、そもそもは、甘いはずのマカロンなんて、
ちょっと常識的には考えられない組み合わせのように思えるのだけれど、
実際それを、齧ってみて、クセのあるその風味の虜に自分はならないなどと、
果たして迂闊ではない誰に言えることだろうか。

それが社会から押し付けられたものだと気付かずに、
ありふれた常識で自分を縛ってしまっている、
そんな人には巡り合うことのできない、稀に見る好さ、そして美しさ、
そういう価値あるものも、世の中には、まだまだあるのだ、意外と、たくさん。


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