カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

ふなまち

2011年05月11日 | 兵庫
「イマジン。」

己の想像力の欠如を嘆く。

実際、中はトロリと、カスタードのよう。
さらりとした食感は、例えば、半熟カステラのように、粘り付くしつこさもなく、
勿論、風味は、甘くはない。
たまごやき、そのものが、丸くやさしく柔らかい、そんな甘い外見とは無関係に、
カスタードのような甘味とは、かけ離れた、お出汁の風味で、
何に似ているかといえば、たまご豆腐、もしくは、茶碗蒸し、そのような類のものであり、
深く考えるまでもなく、当然の如く思っていた普通のタコヤキとは遥かに程遠い、
ある種、上品な食べ物ですらある。

箸の一対で持ち上げようにも、丁寧に慎重に、
そして大切に運ばなければ、その美しいカタチは、脆く崩れ落ちてしまうけれど、
不思議なもので、それもコツがわかると慣れてきて、ぱくぱくと戴けてしまう。
何しろ、たったの500円で、木製のあげ板の上に、20個も載ってくるのだから。

明石焼きといえば、タコヤキを出汁に浸けて戴く、そのような食べ物である、
事前の、そんな浅はかな個人的認識からすると、
そのキーとなるのは、やはり出汁の存在であると愚考していたのであるが、
実際は、そうではなかった。
出汁に浸す必要もなく、たまごやきには、予め仄かなやさしい風味が備わっており、
むしろ何も付けずに戴く方が、その好さが身に沁みる、そのような感慨すら憶える、
素朴な在り様の、これまさに、ソウル・フードであった。

そこは、ポルノを上映する映画館があるような、
ひと昔前の自由な雰囲気を残す、活気のある商店街で、
その風情は、京都で例えると、西陣の一角、その界隈のようでもある。
ディープでありながら、明るい雰囲気に満ちた界隈にある、
素朴でありつつも、ひと際ディープな御店、それが此処、ふなまちであった。


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