ザ☆シュビドゥヴァーズの日記

中都会の片隅で活動する8~10人組コーラスグループ、ザ☆シュビドゥヴァーズの日常。
あと告知とか色々。

クモの一等地

2016-10-27 23:57:29 | ヨン様
こんばんは、ヨン様です。


今日帰りがけに、クモの巣を見かけました。
まぁ、別に珍しくも何ともありません。
もうだいぶ秋も深まってきて寒くなったというのに、そこかしこにクモの巣があります。

ただ、ちょっと印象的だったのがクモの巣の場所です。
外にある蛍光灯のそばに、それはそれは立派な巣を構えていて、しかもその蛍光灯が鈎状の形をしているために、非常にクモの巣とフィットしておりました。
明かりのそばということもあり、なかなかエサの掛かり具合は盛況だったようです。

外灯に限らず、誘蛾灯とか人家の明かりのそばには、クモの巣があることが多いものです。
それは当然、夜間も明かりが漏れている場所の方が獲物が掛かりやすいからで、まことに合理的な選択だといえるでしょう。
すると、例えばクモにとっての明かりのそばというのは、我々にとっての「駅から徒歩5分の好立地!」的な感覚なのかもしれません。
つまり我々からすればなんでもないような場所というのが、実はクモにとっては喉から手が出るほど欲しい物件である可能性があるわけです。

クモがどんなプロセスで巣の場所を決定しているのかは謎ですが、きっとクモの不動産屋があればこんなやりとりがされていることでしょう。


「いらっしゃいませ~。どのような物件をお探しで?」

「えっと、結婚して5年目なんですけど、ええ、そろそろ戸建てが欲しいなと…」

「なるほど、他に条件はございますか?」

「まぁ、一生に一回の買い物ですし、誘蛾灯の近くで考えてるんですが…」

「誘蛾灯の近くですか~。最近人気でねぇ、ちょっと値上がりしちゃってるんですよ」

「え、おいくらぐらいになるでしょうか?」

「そうですね、今の相場だと大体これくらい…」

「うわ~、こんなにするんですね!郊外だからもっと安いのかと。」

「そうなんですよ~。クモだと郊外とか関係ないでしょ?そのうえ不景気だからなかなか買い手もつかなくてね。」

「あれ、この物件は安いですね。ここはどうなんですか?」

「あ~、そこですか。我々は別に構わないんですが…」

「なにかあるんですか?」

「いえね、墓場が、その、目の前なんですよ…」

「なるほど…」


こんな感じでしょうか。
クモでも墓場の前とかは嫌うようです。
やっぱりちょっと怖いですもんね。

我々にとっては魅力的に映らなかったり、あるいは劣悪ともとれるような環境であっても、立場が変われば価値がまったく変わってしまうということはしばしばあることです。
コウテイペンギンにとっては南極の厳しさがむしろ敵から身を守る盾になっていますし、ハエには腐った食べ物が非常に魅力的に映ることでしょう。
我々にとっては何の変哲がなくとも、クモにとっての誘蛾灯の近くというのは、憧れに満ち満ちた好物件なのかもしれません。


所用で明日から山形に行くことになりました。
しっかりと防寒していこう。

それでは!