トランスフォーマー馬鹿一代。R

トランスフォーマー及び変形ロボット玩具の研究思考ネタ等の戯言ブログ!

邪鬼玉

2011-07-28 14:03:47 | 変形ロボット玩具

Photo

2011年7月23日、日本のアニメーション史に大きく貢献したアニメーター芦田豊雄 師匠が天に旅たたれました、今宵は追悼の意味を込めて1988年にキャラクターデザインを勤めた「魔神英雄伝 ワタル」より、タカラより販売された邪鬼玉(全3種)を紹介させていただくでござる。

邪鬼玉はドン・ゴロ将軍ドアクダーの息子、虎王に与えたアイテムで、小型の魔神に変形するでござる。

Photo_2

先ずは登場回数が最も多いライオンに変形する邪鬼玉の邪獅子(神部超秘宝、ジャレオン、680円)でござる!

Photo_3Photo_7

さて、「魔神英雄伝 ワタル」商品は大きく分けると主力商品の簡易組み立て式玩具のプラクション・シリーズと劇中アイテムの神部超秘宝(シンブスーパーアイテム)に分けられ、邪鬼玉は超紳部秘宝商品になるでござるが、商品的には新規に制作されたものではなく1984年に「ニューミクロマン」商品として販売された流星ロボ・メタルレオ(MC-15、メタルレオ、980円)の台座と武器パーツを削除した非メッキ商品でござる。

Photo_8Photo_13

Photo_14Photo_17

商品はダイキャスト製パーツを一部使用したプラスチック製の球体で何を目的とした玩具なのか分らないでござるが、「魔神英雄伝 ワタル」本編では携帯用アイテムとしての球体のようでござるな。

Photo_19Photo_21

変形方法は「おもしろカッコいい」立体パズルを思わせる凝った折り畳みが魅力の一品でござる。

Photo_23

流星ロボ時代はメッキ処理とダイキャスト製パーツで重厚間のある商品だったでござるが、本品は未塗装状態で販売されたので少々チープ感が出てしまったでござる。

Photo_24Photo_25

Photo_26Photo_27

アニメ作画と同じ塗装パターンとはいかなくとも、せめてジャレオンの目くらい塗装してもらいたかったでござるが、本品は日本製造品ゆえにコスト削減で塗装が省かれたでござる。

そう、プラクション商品は組み立て式にしたことで製造コストを下げた結果、完成品の邪鬼玉の方が販売価格が上がってしまったでござる。 当時、プラクション商品がヒットした要因のひとつが手ごろな販売価格であり、簡易式の組み立てキットであった事も大きいでござるよな。

Photo_28Photo_29

確かにジャレオンのアニメ本編登場回数が多い邪鬼玉でござるが、シリーズ商品としては中途半端で人気商品とはいい辛いでござる・・・ まあ、商品数を増やす為の流用商品枠でござるが、アニメ本編では優遇されていたでござる。 そう、「魔神英雄伝 ワタル」はタカラの玩具販売を前提としたアニメでは玩具販売も成功した作品でもあるでござる。 (笑)

Photo_30

続いてカラス(?)に変形する邪鬼玉の邪黒烏(紳部超秘宝、ジャクロー、680円)でござる。

Photo_31Photo_32

本品も1984年に「ニューミクロマン」商品として販売された流星ロボ・メタルホーク(MC-16、メタルホーク、980円)の武器パーツと台座を削除した非メッキ商品でござる。

PhotoPhoto_2

Photo_3Photo_4

本品もダイキャスト製パーツを露出部分に使用されているでござるが、邪鬼玉モードでは他の3体とシルエット的には変わらないでござる。

Photo_5Photo_6

しかし、変形方法が3体とも異なっており、異なるロボットモードになる設計は良いでござるな。

何だかんだ云って1984年にバンダイが展開した「タマゴラス」とかのライバル商品な訳でござるが、ドチラも工夫されており現在SEGAが展開中の「爆丸」にも影響を与えているでござるよな。 (笑)

Photo_7

さて、ジャクローも残念ながら未塗装状態で販売されてしまったのでチープ臭がするでござるが、デザインはなかなか面白いものなのでござるよな。

Photo_8Photo_9

Photo_10Photo_11

元もとの商品は鷹をイメージしたようでござるが、「魔神英雄伝 ワタル」ではカラスのようでござる? しかし、パッケージでは「イーグルに変形する、おもしろカッコいい玉だぞ!」と記されているでござる?

アニメ作画だと誤魔化しも利くでござるが商品的にはちとつらいでござる。 やはり目やクチバシくらいは塗装すべきだったでござるよな。

Photo_12Photo_14

なお、本品は可動箇所が多いために意外とポージングが楽しめる商品でござる。

当時はトランスフォーマーにも流用されず、不器用な米国人向けに設計しなかった事が幸いしたでござるな。 (笑)

Photo_15

そして最後がロボットに変形する邪鬼玉の邪機人(神部超秘宝、ジャキラ、680円)でござる。

Photo_16Photo_17

本品も1984年に「ニューミクロマン」商品として販売された流星ロボ・メタルマン(MC-14、メタルマン、980円)の武器及び台座パーツを削除した非メッキ商品なのでござるが、ジャレオンジャクローと違い金型を一部改修しているでござる。

Photo_18Photo_19

Photo_20Photo_22

その為か球形時に少々ズレが生じてしまいでござるが、本家のメタルマンを入手していないので確認ができないでござる?

Photo_23Photo_24

ロボットモードの変形はメタルマンと同じでござるが、「魔神英雄伝 ワタル」の世界観を考えたときのロボットモードのデザインに違和感が生じたのでござろうな・・・

Photo_25

頭部と胴体部のモールドを彫りなおして胴体部が顔となるデザインに作り直しているでござる。

Photo_27Photo_28

Photo_29Photo_30

ふむ、「魔神英雄伝 ワタル」の世界観を考えれば悪くない変更でござるが、商品が未塗装なのが辛いところでござる。

塗装工程によるコスト削減は仕方が無いとしても、顔をシールで対応する考えはなかったのでござろうか? 昨今の組み立て式食玩では顔もシールで再現する商品が多いでござるが、元々顔をシールで表現する技術はタカラが1967年の「ゴワッパーファイブ ゴーダム」の可動フィギュアで使用した反則的な技術だったのでござるよな。 (笑)

Photo_31Photo_32

なお、ジャキラも可動箇所が多い方なのでござるが、脚部構造と背部に重量が掛かる為に立たせにくく、ポージングがとりづらい商品でござる。 本来は武器パーツを腕に取り付けてバランスを取っていたのかもしれないでござるな?

それを考えれば3体中一番残念な商品に感じてしまうでござる・・・

Photo_33

なお、邪鬼玉は1997年に「たまごっち」ブームに便乗してキーチェーンを取り付けたエッグビースト(全6種・各500円)として日本版「ビーストウォーズ」のオリジナル商品として販売され、更に2007年にはスパークボット(トイフェス限定、スパークボット、3800円)とし販売されているでござる。

彼らは「ニューミクロマン」商品・流星ロボとして販売され、その後「トランスフォーマー・ザ・ムービー」のユニクロン(未販売)に付属する小惑星として検討されたり、「魔神英雄伝 ワタル」で邪鬼玉として販売され、「ビーストウォーズ」ではエッグボット、「キスぷれ」ではスパークボットなどと名を変え箱を変えて販売されたタカラの財産でござる!

しかし・・・ 今年は日本アニメを支えた関係者の訃報が多いでござるが、残された作品は全てアニメファンの財産として残っているでござる。


最新の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
また1人偉大なアニメ人が逝ってしまいましたね。作... (ズッツトン)
2011-07-28 21:44:52
最近のバンダイ製の食玩ムゲンバインがこれの発展型?かな。同型からの無理があるものの別の姿へ変形していくのは集めてて楽しいです。まぁ、出してすぐに息切れしてしまうのもこういうコンセプトのシリーズですが。十二支とかででないかなー。

爆丸はなかなかの量がでてますね、なにをどーしたらこんなイメージデザインに?という所が頭抱えてしまいますが、玩具だけとしたら凄くいいと思います。意外と気軽に試してみるかって金額でないのがはまらずいられる理由かな。

返信する
これの元ネタである流星ロボのうちの鳥メカは持っ... (くぼやん)
2011-07-29 03:44:46
今、そのままでリメイクすると、値段が高くなっちゃうでしょうねぇ
(物価的な意味で)。

今年も、アニメ関連の方々が次々と逝ってしまわれていますが、
芦田さんのご冥福をお祈りします。
返信する
確かこの金型、使いすぎが祟って壊れたらしいですよ。 (SDガムダン)
2011-07-29 09:34:42
最後に使われたキスぷれのスパークボットは当時やたらと破損報告が多かったような気がします。
それと、今とは逆なんですかね。
最近のTFは日本向け製品よりも海外向け製品のほうが塗装を省略する傾向にあるみたいです。
どうしてそうなったかなぁ…。
あと邪機人のデザイン格好悪い…。
返信する
芦田さんが亡くなられた3日後の26日、「日本沈... (nobu)
2011-07-29 09:36:27
邪鬼玉のさらにリメイクであるエッグビーストのエッグレオは持ってた記憶がありますが、記憶だとクリアカラーの赤紫でした?記憶違いなのか、本当に赤紫だったのか、その辺はわかりませんが、確かにエッグレオは持ってました。
返信する
ズッツトン殿、ムゲンバインと爆丸は集めていない... (TF馬鹿一代。)
2011-07-29 22:17:55
くぼやん殿、問題は販売価格で見合う商品になるかでござる?
普通に考えれば2000円前後になりそうでござるが、メッキやダイキャスト製パーツを使わないマイクロンとかEZコレクションのラインで復活できれば安くなりそうでござるな?
SDガムダン殿、米国では日本以上に販売価格がシビアなようなので徹底的に省かれるようでござるよ? ただ、販売価格を気にしないコレクター向け商品は逆に反動で汚し塗装まで入れてしまうでござる。 (笑)
nobu殿、エッグレオとダークエッグレオは玩具比較のコーナーで紹介しているでござる!
返信する
人が無くなると言うのはとても悲しいですね。それ... (ヌエベ)
2011-07-30 00:03:01
芦田さんのご冥福をお祈りします。

まさかこれが元々ワタル製品でしたとは、しかもプラモ
後年は最初から作られてましたね。だから元はプラモだよって言っても信じる人いないだろうな。

でも普通に見るとチープトイレベルにしか思えない。
返信する
ヌエベ殿、邪鬼玉は完成品でござるが、流星ロボに... (TF馬鹿一代。)
2011-07-30 15:51:28
ヌエベ殿、邪鬼玉は完成品でござるが、流星ロボには「ミクロマン・ガム」か「ニューミクロマン・ガム」で組み立てバージョンが販売されていたはずでござるが・・・ 未入手なので別金型だと思うでござるが、大きさが同じなのか確認がとれていないでござる?
返信する

コメントを投稿