先日私の友人が訪ねて来てこんな話をしてくれました。
或るお寺の住職さんが檀家の人と食事をすると何時も住職の前に座るお婆さんがみえた。そのお婆さんは手が不自由で何時も右手を使ってスプーンで食事をしていた。その姿を見て住職は何時も自分の前に座り、お婆さんの不自由な姿を見て自分が食事をするのが内心いやだったそうです。
村の人が、「あのお婆さん、昔は仏さんや神さんに手を合わす事が嫌な方で、我が強く自分勝手で有名な人だった、しかし或る時食事の準備をしている時お釜の尻に火が付きその火が着物に燃え移り大火傷をしたそうな。その火傷でお婆さんは左手が使えず、右手も親指と小指だけしか動かなくなった。」
信仰深いお爺さんはそんなお婆さんを献身的に看病しやっと自分で食事が出来るまで成ったのですがお爺さんは数年前に亡くなられた。
そんな話を聞いた住職は或る時お婆さんに
住職 「お婆さんの御主人は仏さんの様な人だったそうだな~」
お婆さん 「いや、仏さんでした。」