韓国がここまで発展を遂げることができたのは、アメリカを中心とした西側資本主義が作り上げた国際秩序に依るところが大きく、特に日本からの経済援助や技術供与が多大な力になったことは歴史が証明するところです。
しかし、最近の韓国は、日本の国力を過小評価する傾向にあります。
そして、これまで日本が行なってきた経済協力は隠して、日韓間の貿易も、その恩恵は日本のほうが多く得てきたと認識しています。
そのため、日本の経済力が相対的に落ちてきたいま、韓国では「もはや日本を頼りにする必要はないし、学ぶこともない」という風潮が広がっています。
もちろん、財界人や国際関係の事情をよく知る有識者たちにそのような認識はありませんが、マスコミや世論を意識した評論家などはそう言いたがる傾向にあります。
韓国が日本と協力して得られるものは単に貿易だけではありません。
そもそも韓国の財閥系輸出企業でも、その完成品のもととなる機械、部品、素材の多くは日本から輸入しないと成り立たないのです。
また、韓国の製造業、特に中小企業は中国の技術的追い上げによって日中間のサンドイッチ状態になっていますが、これを乗り切るためには、日本企業との協力が欠かせません。
日本が韓国を支援してきた分野は経済だけではありません。
政治的にも、日本はこれまでさまざまなかたちで韓国を助けてきました。
しかし、ここでもまた、韓国は「日本と同等以上の国際的地位に立った」として、日本のポジションが上昇することを警戒し、対抗しています。
中国との関係では地位(姿勢)を低く構えるのですが、日本が相手になるとまったく正反対の態度に出ることが多いのです。
日本が国際社会で長年にわたって築いてきたステータスを、韓国は日本と協力することで活用したほうがはるかに建設的だと思うのですが、そういう発想に至らないのが残念なことです。