朴槿恵(박근혜)は、1952年2月2日、朝鮮半島南端の慶尚北道大邱市三徳洞(現在の大邱広域市寿城区三徳洞)で、軍人朴正煕の家庭に生まれた。
朴槿恵(박근혜)は、1952年2月2日夜明け方、三徳洞にある借家で、父朴正煕が見守る中、産婆の手で出生した。
赤ちゃんが生まれたからには、名前をつけなければならない。
朴正煕は妻と妻の姉と一緒に頭をひねった。
字典をめくりながら、それぞれがよさそうな字を探すことにした。
三日間、字典を操った末に、六つの字を選び出した。
その六つの文字の中から、朴大統領が選んだのが「槿」と「恵」であった。
「槿」は、ムグンファ(無窮花)、韓国の国花であり、国を象徴する字である。
「恵」は、善良な女(ひと)、聡い、賢いという意味になる。
「槿恵」は、太陽の恵みを受けて美しく咲き、韓国人ならみんなが善とする「ムグンファ(無窮花)」と解釈できるのだ。
素晴らしい名前だ。
軍人でありながら、かって小学校の教員を務めた経験のある父は、娘の名前に特別な思いを込めた。
朴槿恵が生まれたこの年、父は三六歳、母は二八歳であった。
当時としては、若夫婦とは言えなかった。
長女の誕生は、朴大統領に言葉では言い表せない幸せをもたらした。