仲よく並んだ土まんじゅうの正体
韓国の一般的な墓
「お墓」と聞いて日本人が思い浮かべるのは、長方形の石。
しかし韓国人にはそうしたイメージはない。
彼らにとっての墓とは、山の斜面にたたずむ緑色の土まんじゅうだ。
釈迦の言い伝えで仏教は火葬になったが、魂が帰る肉体を重視した儒教では土葬が推奨される。
日本は土着の習俗に仏教、儒教の絡み合い、土葬と火葬が共存していた。
やがて近代以後は衛生的問題から火葬が推奨され、現在ではほぼ100%近くなっている。
一方の韓国は祖先の遺体を焼くことを嫌い、長く土葬にこだわってきた。
そこで1人にひとつづつ、高さ1mちょっとの丸い盛り土に葬ってきたわけだ。
また風水に基づいて、墓は見晴らしがいい山の南側に設けるのが好まれた。
高速バスや鉄道の車窓からも、そうした墓がよく見られる。
土まんじゅうの多くが二つ対になっているのは、子供たちが亡き父母を隣り同士に埋葬するからだ。
だがしばらく前から土葬による土地不足が深刻化し、政府は積極的に火葬を推奨するようになっっている。