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+TANI 

山口県の谷口自動車というエンジン修理屋の周りで起きる出来事が中心です。

1HD

2007-02-10 21:32:40 | ボーリング加工他
 ここ何日か延々とボーリングされている
ブツがあります。
ボア径94を98に6気筒すべてボーリングしています。

ストロークが長いのとボア径が大きくなる分ボーリング回数、時間と半端ではない。


まあ自分ではなく機械が削ってくれる事ですから、バイトをセットして

「グワワ~ン。」って削って、

止めて、

また削ってを20×6回繰り返しました。

でもこれからスリーブを入れてSTDに再生するんですね。

ランクルなどに乗っている乗用はオーバーサイズのピストンがあるのに舶用はヤマハになるせいかSTDしか設定が無い。

メーカー曰く「ブロックを換えてください。」ってブロックはそんなに安くないよ!

ライナーレスのエンジンならオーバーサイズの設定を考え、ライナーがあるならライナー交換を考えて欲しいもんだ。

クルマを買うにしても船を買うにしてもエンジンのオーバーホールを考えてまで買う人は少ないじゃろね。4バルブだと2バルブより部品代がかかるとかオーバーサイズのピストンが有るか無いかで考えることは多分、普通は無い。

ライナーを入れて再生するのに約3日かかりますが、最終的にはお客さんが「安く上がってよかった。」という落としどころまでコスト的にも頑張らないといかんのでしょうが・・・。

このエンジンは組み立ても頼まれてるからなんとか良い状態にしてあげたいとはおもってます。



ガバナ

2007-02-01 00:45:49 | ボーリング加工他
 ディーゼルエンジンでは燃料の噴射量を調整する機構をガバナといいます。このガバナは噴射ポンプのメーカー(ゼクセルとかデンソー)で調整され封印して出荷されています。

エンジンの最高負荷を決める(最大噴射量)部分でもありますが封印を切って増量させると異常燃焼を起こし、ピストンのトップが割れてしまうことが結構あるそうです。



 トップが割れ、焼付きを起こしてしまったピストン。こうなってはどうもこうもありません。

ガバナを調整すると噴射量自体は増えますが実際に燃焼に使いきれているかは疑問です。燃えない未燃分は排気管で燃えますから排ガス温度がドンドン上がってしまいますし。低位発熱量の低い燃料を用いると負荷が取れなくなるのでラック位置を調整すれば負荷を確保できるといった事は理解できますが、きちんとモニターできないのならこういったガバナの封印を切るといった事はあまりお奨めできませんね。


ちなみに船のエンジンには保険がかけられている場合がありますが、これは保険対象として認められないようです。
一応参考画像ですが列型噴射ポンプのガバナ付近です。ワイヤリングされている部分が封印の部分。ガバナのフライウエイトを調整する部分(中央)とラック位置(上側)とがあります。このワイヤーを切ってはダメという話でした。



はにゃ~

2007-01-31 20:17:46 | ボーリング加工他
 メーカーでアッセンブリーされて来るピストンがこれじゃあね。

まあ自分できちんと見ろ!って事じゃな。

常に自分が触ってしまった瞬間から自己責任なんでしょうが。



画像では分かりにくいかもしれませんが、オイルリングの合い口とエキスパンダの合い口が一緒の部分に組まれてます。普段もオイルリングの合い口は見ますがここまで露骨に組まれると「ちょっとちょっと?」って感じよね。

エンジンを年間60台以上バラしますけどけっこうリングの合い口が近いものがありますね。トップとセカンドが近いのはどうかな~って思いますよ。合い口って結構誤差があってコンマ何ミリ違うといったものもあります。だからエンジンを手で回せばケース側にエアが漏れる音が聞こえますもん。

例えるなら「ジ~、ジョコ~、ジュボボボ。」って感じでエアが抜けていきます。

合い口をマッチングすると圧縮も違うんだろうけど普通はそんな事できんわな。

fiat 110F

2007-01-27 19:05:32 | ボーリング加工他
先日のイタフラエンジンが完成しました。お客さんにちゃんとエンジンの種類を聞くとフィアットの110Fだそうです。

エンジンの型をきちんと書いてないと検索に引っ掛からないからというスケベ根性です。

ちなみに検索ワードの現在のナンバーワンは「XS650」です。不思議です・・・。


ケース自体の加工はこういった感じで仕上がってきます。

 自分で「こういった寸法で仕上げてください。ここが問題なんです。」とマシニングする担当の人にきちっと説明します。ラフでいい部分もきちんといいます。精度がいる部分、要らない部分ははっきりさせないと加工する人は困りますからね。

 自分はシリンダーの方の追加工をゴソゴソやります。ケースにはまり込む部分の追加加工をしてクリアランスを作ってあげます。
 ここがキツイとシリンダーが膨張した時にスカートが割れてしまいます。極端なボアアップ(スリーブ打ち換え)の場合ケースを追加工するのはこのためです。

 あとこのケースとシリンダーを受ける部分の面積を広く取りたいという思いもあります。

シール性と締め付け力を受け止めないといけませんから。

この状態で約2.6ミリの幅があります。

 あとはいつものアングルで一枚。縦キズが若干ありますが物自体の入手の困難な事を考えれば妥協せんといけんね。どうにもならないようならスリーブを入れれば再生できますから、深刻に考えることもありません。

組みあがって元気に走ってくれることを期待してます。symbol4



珍客・・・。

2007-01-24 19:25:38 | ボーリング加工他


これが何かわかるひとはイタフラ通じゃね。
シリンダーをボアアップした物を使うらしく、ケース本体を追加加工する依頼です。

スタッドを外そうとしたら、M10×1.25のナットが必要と気が付いた。

注文せんと、電話してみよ。

「1日待たないと来ない~?」

イケンで、こういった確認作業は早め早めにしとかないと。お客さんに待たせる時間がもったいない。
スタッドボルトリムーバも入りませんし、傷を付けたくないのでダブルナットを掛けて取りたい。

明日再挑戦となりました。