GSXR油冷ヘッド

ＧＳＸ－Ｒの油冷ヘッドです。

このヘッドも超お待たせの物件です。
今回は排気ガイドの交換、シートカットというメニューです。

ガイドを抜いたらやっぱり純正はガイド外径φ11.58なのに新品はφ11.88とオーバーサイズの物が供給されます。

ヘッド側のガイド用の穴を測定しながらそれに合わせていきます。

外径を調整するために旋盤で地味に１本ずつ加工。

焼きばめが済んだらシートカットに進みます。

カット前の排気側シート。

数分後にはこうなります。

違いが分かりにくいと言われそうなので補足画像を。

上がカット前の当り面。光明丹をあまりに多く付けたのではみ出してしまいましたがあたり幅は１．５ミリ近くあります。

シートカットする刃物はあたり幅０．８ミリなのでほぼ半分近いあたり幅になっているのがわかるでしょうか？

そして面研。

作業は完了なので次はオーナーの出番です。

Z750FX

Z750FXです。

カワサキ系のヘッドでよくあるのが排気側などでシートのあたり面が偏っている場合があります。

プラグ側のあたり幅が非常に狭いです。

シートカットすることで適正な幅にすることができます。

画像をアップロードする順番が前後していますが抜き取ったガイドです。

新品のガイドは吸気が純正サイズ、排気はBITOオーバーサイズガイドφ12.09です。

高い物を売りつけて儲けるのではなくヘッドとの締め代を測定した結果からオーバーサイズを選択してます。

面研も最小限で済ませます。

この部分からカム側にオイルが供給されますので変にオイルストーンなどで面が垂れるとオイルが外に滲みます。

カムスプロケもスライド加工しますけど、Z400FXと同様にこのヘッドもヘッドカバー側にスライダーが付きますのでうまく考えて押え治具を作らないと測定できないでしょうね。

シリンダーはφ６９ワイセコ対応です。

tani的にはピストンリングは国産メーカーだし、うまく使えると思うんですけどね。多少クリアランスの解釈が違っていたりするのでその辺かな～。

面研も最少ですましますがシリンダーが中高になっていてボーリングする時に悩まされました（汗）

オーナーさんの要望で「タコ穴をふさぐ加工を。」という話でしたPMCさんのプラグが普通に付きますので変に手を入れるよりはよいかなと思います。ちなみにここのOリングはS11.2というサイズなのでご注意を。

エボヘッド

９６年式エボヘッドを弄ってました。

最初にヘッドに組まれていたバルブを見ると超外あたりです。

tani的にはここまで外あたりに加工することはハーレーではまずありませんね。

まずは基本のガイド交換。taniのストックからガイドの下穴に合わせたサイズを選択して交換します。

在庫無で注文するのが一番良いのでしょうけど頼んでもすぐ入らない時も多いので事前に頼んでます。

外あたりから少し内側に当たるように戻します。

良い頃合いで作業完了です。

クランク再生ランチャ編

あまり活躍の機会が少ないクランクシャフト研磨機ですけど今日は出番です
国産のガソリンエンジンではなく欧米です。

１か所クランクピン部分が焼き付きを起こしてましたがやはりメインも曲がりが少し出てます。

そんな時はクランクピン部分だけ研磨してもいざブロックに組んだらうまく回らないです。

今回もメイン、ピンとすべて研磨しましたので新品相当でこれからブン回されるんでしょうね。

Z2φ６９ピストンキット

これからＺⅡ を楽しむキットです。

ボーリング＋最少面研＋φ６９ピストンです。
オーナーを悩ませたオイル漏れ部分の面研もうまく行っているので解決です。

ヘッドはガイド入れ替え＋シートカット＋最少面研の定番です。

バルブはべスラ製を選択してます。

結構電話で「いくらか？」と聞かれることが多いですけど。

名前も言えないような方には答えません。

今回のケースでの実績金額

シリンダー関係　ボーリング＋面研＋ワイセコピストンキット（ヘッドガスケットは付属しません）で９５，０００円


　ヘッド関係　ガイド入替＋シートカット＋面研＋べスラバルブ＋ガイド（吸気・PMC製：排気BITO製）で５２，０００円

シリンダーとヘッドで１４７，０００円（税抜）の予算で腰上の部品の加工が済んでいます。

安くはない金額ですがこれで楽しいエンジンが手にはいるのなら悪くない買い物ですよ！