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+TANI 

山口県の谷口自動車というエンジン修理屋の周りで起きる出来事が中心です。

あれ?

2007-09-13 20:10:43 | 故障例 ヘッド
なぜかまたTOYOTA 2Cがやってきました。別にこのヘッドが悪いわけではないんですが・・・。



タイミングベルトが切れてしまったらしく、カムを交換、ベルトを新品に交換したそうです。

「???」

なんか確認せねばならんことがあるような気がしますが・・・。

タイミングベルトが切れたらやっぱりバルブとピストンがヒットしてしまうんでは?

運良くヒットしなかったとしてもエンジンをターニングすれば軽く回るかどうかはわかったはずですが・・・。



バルブを抜こうとしても曲がってしまい抜けません。ヘッドを暖めてやっとガイドごと抜けました。バルブがきちんと戻らないからピストンで叩いて戻していたようです。吸気側の4本のバルブはすべてアウト。排気は当たっていませんでした。バルブがピストンと当たればまず曲がりが出てしまいますから、確認は必要ですよね~。


地味に掃除

2007-09-04 23:30:51 | 故障例 ヘッド
今日は掃除してました。
排気ポートが・・・・。
オイルが上がったか、下がったか分かりませんが排気ポートに堆積物がこんもりついてます。排気バルブ自体にはあまり付着していませんね。



とりあえず掃除しないとスッキリしません。

自分の名刺には「CLEAN ENGINE」と刷ってあります。綺麗なエンジンを保つことが環境に優しいのではという思いと自分でも何か環境にいい事が出来るのではということでこういう言葉を入れています。

ですからこのような堆積物を取らずにお客さんに渡すことはできませんで。peace

ただ最近思い返してみればCLEANを形容詞とすれば「綺麗なエンジン」となりますが、動詞としてみれば初めて会った人に
「エンジンを綺麗にしろ!」と命令する名刺を渡していることになりますが・・・。zzz2

バルブステム

2007-07-13 05:27:23 | 故障例 ヘッド
バルブの磨耗でぱっと見て分かる部分がコレです。

ロッカーアームがバルブを押す部分がえぐれてます。

出っ張った部分と引っ込んだ部分の差が大きくどこでバルブクリアランスを取ればいいか悩みますね。ase

とりあえず見てしまったので研磨して再生しておきます。

見て見ぬフリはできないので奉仕作業となってしまいます。


当然バルブかこんなに磨耗していればきちんとシートは当たってません。奥側が当たってないのが画像でも分かると思います。

当たりを見るときは光明丹をつけてパンと当てるだけでバルブを回してはいけませんよ。バルブの一番当たる部分がぐるーっと一周回って当たりが出ているようにみえますからね。これはtani流ですから「ワシは違うやり方が好き!」というかたもいらっしゃるでしょうね。

最近、なんとかホープとか会社のモラルが問われる事が多いですが、超零細企業勤務?のtani的には自分のやることは最善(自分の技量の範囲)を尽くすしかありませんね。

ですから今回の作業もお金はもらえませんがやっちゃいました。good

平面がね~。

2007-07-03 23:25:07 | 故障例 ヘッド
 ヘッドが入院してきました。

ガスケットを交換してもラジエーターにエアが出てくるという症状を起こしています。

「クラックが入っているのではないか?」というお客さんの心配を解消するため水圧試験をしましたが、割れはないようです。

まあ割れが入っていたらちょっとエアが出てくるという状態にはなりませんが。


軽く平面を研磨して来ると見えてきますね、原因が!


この加工の縞が微小なガス抜けの原因では無いでしょうか?このような粗さの面に今時のメタルガスケットを組んだら抜けるよね~。

最近は平面研磨する時にはガスケットの種類によって仕上げの送りを変えてみたり、砥石の逃げる方向を考えたりしてますね。

砥石の逃げる方向っていうのはウチの機械だと1枚目の画像でいくと右側から削っていって左端まで一度にげてそれからターンして右に仕上げをしていきます。砥石は押す方向に削る時はよく切れて、引く時にはあまり切れません。

また右端に掛かると砥石の当たる部分が短くなるとその部分は非常によく削れてしまいます。そういった機械のクセをよく考えてヘッドの水穴の位置とかジャケットの形とかでヘッドをどう置くかこのオジサンも一応考えてま~す。peace

最近ツッコミが少ないから本当にひとりごと化してますな。ちょいネタでも仕入れてくるかな?いやもうじき陸送されてくるはず(笑)

硫黄

2007-06-03 07:23:42 | 故障例 ヘッド
 船のシリンダーヘッドでよくあるのがこういった硫酸腐食によるシート部分の故障です。重油を炊くエンジンの場合、重油内にある硫黄分が燃焼により硫酸になり腐食の原因となります。

またこの硫酸がオイルに触れるとオイルの劣化が進みますのでオイルもそれように選択しないといけません。



腐食は水分と反応すると著しく進みますのでこのように排気ポート側からの腐食とヘッド表面にある凸凹状の腐食などが見られます。

重油を炊くとこのように腐食といったトラブルがありますのでよく考えないといけません。また最近トラックに灯油を直接給油したりするというニュースがありますが、灯油は潤滑性がほとんど無いので噴射ポンプが壊れるといったトラブルの原因にもなります。また添加剤を入れて使用しても排気弁の当たり面の磨耗が進むなどトラブル原因にもなってます。


シートの悪くなった部分をザグリ加工します。このヘッドはシートリングが入っていないのでこういった手順を踏みます。
 そして汎用素材からシートリングを切り出していきます。


シートリングを打ち込んでシートカットをします。吸気側はそれほど悪くないのでシートカットだけにして修理コストを下げます。


ここで注意するのはバルブの沈み量が規定値に入る事を必ず確認することです。

バルブが新品になったり、シートリングを入れ替えた時はかならず見ないといけません。バルブとピストンのトップクリアランスは2ミリも無い時がありますし、オーバーラップやタイミングの遅れで突いてはシャレになりません。
摺り合せまで完了した画像です。最後に燃焼室の手前側がガスケット抜けを起こしているので吸気側をシートカットだけで済ませて浮いた工賃で面研して完成となります。

このような小さなヘッドでもきちんとすることが重要だということはなかなか分かっていただけないケースもありますが、今回はtani的にすっきりする作業内容となりました。peace