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+TANI 

山口県の谷口自動車というエンジン修理屋の周りで起きる出来事が中心です。

ヘッドの歪み

2008-08-26 00:04:31 | 故障例 ヘッド


かなり歪みが出たヘッドを削ってます。この副燃焼室式+アルミヘッドの組み合わせは非常に歪みが大きくなる傾向があります。

コレだけ削るとバルブの突出量が変わってしまいます。2ミリの突出とかなりヤバイ感じかします。



はっきりしないはこの規定値が乗用車の場合、サービスマニュアルに載ってなかったりするんですよね。



左側が調整前、右側が調整後です。かなり見え方がちがいますな。

あまり意味は無いかもしれませんがヘッドガスケットを置いてますpeace

ヘッドガスケットの厚みが1.6ミリでバルブの突出量を1.2ミリに調整しました。あとはピストンの上部にリセスが切ってありますので上死点での干渉はまず大丈夫と思います。あとはオーバーラップ時の干渉だけですが腰下が確認できないのでそこは組み付けの方に任せました。

ヘッドガスケット、ピストンのシリンダー上面からの突出量、リセスの形状、バルブの突出量すべてが絡んでくる部分なので慎重な作業が必要です。

水圧試験E13U

2008-08-08 05:43:30 | 故障例 ヘッド
HINO製エンジンの水圧試験を行ってますcat2ase2ase2エンジンの長さは1030ミリくらいあります、デカイ、重い、高いの三拍子が揃ってます。

「水漏れの試験をして欲しい。」と頼まれるとまず「ハイ、わかりました。」と二つ返事で答えないのがtaniです。

「水がオイルパンに入るのか?」

「ラジエーターが吹き返すのか?」

「水が減るのか?」

大体この3つの症状がどうなのか聞いてます。現象を聞いておいて現物を見て納得しないと水圧する気にならんし、治具(鉄板だけど・・・)を作る手間を考えるとどうもね。

今回は比較的新しい型のエンジンでもありこれから将来的に何度も水圧することが予想されたので鉄板を使用して専用の水圧試験治具をつくりました。ラクするために鋼材屋のお嬢さんに鉄板を切ってもらい自分は締め付けるボルトを通す穴だけ開けてました。

結果的には水圧をかけても漏れは無し。お客さんとしては安心して組めるので水圧試験は意味はあると思われます。

水圧でOKになったら平面研磨へ。

削っていけばお決まりのガスケットの当たりの悪い部分が出てきます。この症状はこの手のエンジンは必ず出てます。これではラジエーターに吹き替えします


また削りの最終段階になればこのように部分的にガスケットの当たりがキツイ部分が残ります。ガスケットを作る際のリング状に丸めた部分が重なる部位がかならずこうなりますね。今回はE13Uという型式ですがK13Cという別の型でも同じです。


このヘッド、大きさの割りにヘッドボルトが少ないんじゃないかなと思う。手がプルプルするぐらいのトルクで締めるのだろうけどうまく歪まずに組むのは難しいんじゃろな~。

水漏れ

2008-07-31 07:35:06 | 故障例 ヘッド
冷却水が減るという故障を訴えて来たヘッドです。



平面研磨中ですが本来OHCなので研磨してはいけないとサービスマニュアルには書いてありますので注意して作業を行います。

研磨中の平面です。

このようにヘッドを生産した時の加工模様が出てきます。これでは水のシール性、燃焼ガスのシール性が落ちてしまうと考えてます。



この縞模様が消えるようなレベルで加工をしていきます。

また最初の画像で分るでしょうが左側がギア側なのでココをバリバリ削るとバックラッシュが少なくなりギアが唸りますのであまり削らないよう注意します。

OHC+ギアトレインのヘッドはバックラッシュの調整が出来る物が少ないのでこういった加工を行ってます。またヘッドガスケットも厚みが若干違う物を選んでできるだけバックラッシュがきつくならないような工夫が必要です。

基本的に整備解説書上では研磨不可と書かれた部分を加工する訳ですのでコンプライアンスという観点から間違っていると指摘されても反論はしません。


なぜかな?

2008-01-22 03:40:14 | 故障例 ヘッド
こうなっては圧縮は期待できん?

バルブを抜いてみるとこんな状態。

急に欠けたというわけではないんですがね~。ase

ほかの3気筒の排気バルブもシートとの当たりが悪くバルブの半分は当たらずに腐食し始めてます。

クリアランスが無くなってなるというわけではないのですが多走行車に見られるバルブの溶損といったトラブルに該当すると思われます。

tani的にも真因はワカリマセン。

誰かご教授くださいpenguinase2

ステムシールやスプリングを組み込んでお客さんにお渡しできました。
こういった作業も「まかす。」と言われたらきちんと対応しますよ♪

さらに地味

2007-12-05 04:59:08 | 故障例 ヘッド
地味な作業に拍車が掛かっております。good

人間も地味だからええけど。
水穴の周りが腐食してガスケットの当たり面が無いという不具合を溶接で直しています。このヘッドは日産の直6なので実はもう一枚同じような作業をしていました。

溶接はあまり得意技ではないので画像的にはどうかなと思いましたがとりあえずのせます。溶接棒はタセト鋳物特号という鋳物用を使いますが、これが結構いい値段するんよ。キロ9000円くらい。肉盛の見積もりを先にしたため、なんか溶接棒を使うとだんだん儲けが減る?ような錯覚が・・・。
錆びを除去して溶接しても1回目はガスが出てまったく綺麗には仕上がりません。肉盛した部分をグラインダーでほとんど削り落としてもう一度溶接するとまあ綺麗にはなるかな~。

 溶接した部分と母材のキワが出る場合がどうしてもありますのでその部分がガスケットの重要な部分には当たらないようには注意してます。特に圧縮を受け持つビードの当たる部分(画像で白い輪のように見える部分)にはかからないようにしています。


平面研磨を行うと良く見れば分かる?程度になります。どうも溶接棒とグラインダーを持つと手作業という雰囲気が漂ってきますが平面研磨という機械加工が入る分、かっこよくみえるかな~。どうだろ?