田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

島田陽子の映画『砂の器』

2022-07-26 08:33:49 | 映画いろいろ

 この映画で島田陽子が演じたのは、和賀英良(加藤剛)の愛人で高級バーの女給・高木理恵子役。これは、原作の三浦恵美子と成瀬リエ子を併せたような、映画独自の登場人物。薄幸の女性役がよく似合っていた。

旅と松本清張
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ae1666b12778daf8b73a569d6ec7b9a7

『砂の器』の映画と原作の間 その2
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/3b460492781d5254b1895fdbf3fdf7a6

『砂の器』の映画と原作の間 その1
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/91dde6edf312177337a692a2e1ff3f35

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島田陽子の映画『将軍 SHOGUN』『犬神家の一族』

2022-07-25 22:52:57 | 映画いろいろ

『将軍 SHOGUN』(80)(1980.11.14.渋谷宝塚)

 オランダ船のイギリス人航海士ジョン・ブラックソーン(リチャード・チェンバレン)は、江戸時代初期の日本に漂着。武将の吉井虎長(三船敏郎)らと関わりながら、日本で生きていくことになる。

 『大脱走』(63)の脚本を書いたジェームズ・クラベルの小説をテレビドラマ化したものを編集して劇場公開。ブラックソーンのモデルは、徳川家康に仕えたイギリス人航海士ウィリアム・アダムス(三浦按針)。ブラックソーンと恋に落ちる戸田まり子を演じた島田陽子が評判となった。

 アメリカで好評を得たドラマということで、期待したものの、日本のイメージは、20数年前の『黒船』(58)とあまり変わっていないのだなと感じた。

 どちらも、権力に利用された日本人女性の悲劇を描いているが、それはうわべだけ(宣伝文句の“東洋の『風と共に去りぬ』”には笑った)。

 まあ、武士道を意外とまともに描いているところはあるものの、彼らには日本人は自分たちとは違う人種という意識があるのだろう。だから、切腹だの、斬首だのといった、今の日本人ですら忘れかけている、過去の残酷処刑ばかりを強調するのだ。

 アメリカでこのドラマがブームを呼んだ理由はどこにあるのだろう。乱れた世に虎長という絶対的な強さを持った権力者が現れて国を治めていくさまに、強い指導者を欲するアメリカ人たちが憧れを感じたのかもしれないし、進境著しい日本に畏怖を感じたからなのかもしれない。 

 三船、島田のほか、金子信雄お得意のずる賢い人物像、喜劇の多いフランキー堺の重厚な演技(『チャイナ・シンドローム』(79)を見た時に、ジャック・レモンのような俳優は日本にはいないと書いたが、フランキーがいた!)など、日本側の俳優たちの演技が光っていたところが救いであった。

名セリフ「まだ日はあんなに高いわ」(戸田まり子)

【今の一言】思えば、このドラマで必要以上に受けてしまったことが、この後の島田陽子の人生を狂わせてしまったとも思える。


『犬神家の一族』(76)


https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/8a3ea11048287138d4a7de3d9183c507

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『映画の森』「2022年 7月の映画」

2022-07-25 06:22:09 | 映画の森

共同通信社が発行する週刊誌『Kyoudo Weekly』(共同ウイークリー)7月25日号で、『映画の森』と題したコラムページに「2022年7月の映画」として、5本の映画を紹介。独断と偏見による五つ星満点で評価した。

伝説の男エルヴィス・プレスリーの人生を再現
『エルヴィス』☆☆☆☆

バズ・ライトイヤー主演の「時間SF」
『バズ・ライトイヤー』☆☆☆☆

70年代後半のアメリカの暗部を再現
『ブラック・フォン』☆☆☆

孤高の天才アルピニストの姿を追う
『アルピニスト』☆☆☆

恐竜を復活させた名物シリーズの完結編
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』☆☆☆

クリックで拡大↓

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二十一世紀のジョン・フォード『戦争と母性』

2022-07-23 23:02:09 | 映画いろいろ

 シネマヴェーラ渋谷で始まった、「蓮實重彦セレクション 二十一世紀のジョン・フォードPart1」の初日の初回に顔を出す。満員の盛況ぶりに驚いた。“蓮實先生”のご威光、いまだ衰えずなのか、それともフォードのご威光か。

 そして、いつの間にかオンラインでチケットを買うことに慣れてしまったもので、劇場につながる外階段で、長い間並んで待ってからチケットを買うという、昔ながらのスタイルに面食らった。


『戦争と母性』(33)(2022.7.23.シネマヴェーラ渋谷)

 原題は「pilgrimage=巡礼』。

 アーカンソー州のスリー・シーダースで農場を経営し、女手一つで息子のジム(ノーマン・フォスター)を育て上げたハンナ・ジェソップ(ヘンリエッタ・クロスマン)。だが、ジムと近所の娘メアリー(マリアン・ニクソン)との恋愛を許せないハンナは彼を戦場に送り、やがてジムは戦死する。

 10年後、メアリーにも孫にも心を許さないハンナのもとに、フランスにあるジムの墓への巡礼旅行の話が持ち上がる。

 主人公ハンナの極端な性格破綻者ぶりやクロスマンの大時代的な演技に加えて、強引で不自然なストーリー展開も目に付く。フォード作品の中では、どちらかといえば、あまり出来のよくない方の部類に入ると思われる。

 ただ、“軍国の母たち”の巡礼旅行に漂うユーモアとペーソスや、不自然な話を見せ切る力業などに、いわゆる“フォードタッチ”が垣間見えるところがあるし、時折、いかにもフォードらしい構図の素晴らしさや、カメラワークの冴えを感じさせるシーンもある。


イベントに際して、知人が貸与したポスターたち


【違いのわかる映画館】シネマヴェーラ渋谷
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/624a4f3d6cc0d1356f829760e377aa9f

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1929年以前の映画ベストテン2

2022-07-23 06:38:22 | 俺の映画友だち

『キートンの探偵学入門』(24)バスター・キートン

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/5fc85e7ffa12bbbdc7e541eed384ac4c


『黄金狂時代』(25)チャップリン

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/61ebef50ca2876b1fa34be2615d2996b

「名画投球術」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/8e7c815c961600dfe685f21a151c1858


『雄呂血』(25)二川文太郎

『カツベン!』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/54733c46bbc92a13b6e1515e02750a55


『メトロポリス』(26)フリッツ・ラング 『20世紀の映画』『文化の泉』から


『サーカス』(28)チャップリン 『淀川長治の証言 チャップリンのすべて』から


 グリフィスの『イントレランス』(16)とセルゲイ・エイゼンシュタインの『戦艦ポチョムキン』(25)は所々しか見ていないので…。日本映画は現存していないものがほとんどなので…。『大列車強盗』を入れるなら、ジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』(02)も入れるべきなのかなどと結構迷った。

チャップリンで10本でもいい。
『午前一時』(16)
『移民』(17)
『犬の生活』(18)
『担え銃』(18)
『キッド』(21)
『給料日』(22)
『偽牧師』(23)
『巴里の女性』(23)
『黄金狂時代』(25)
『サーカス』(28)


 

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1929年以前の映画ベストテン1

2022-07-23 00:36:17 | 俺の映画友だち

 さる映画同好会で1929年以前の映画ベストテンのアンケート結果が発表された。結果は以下の通り。

1位『メトロポリス』
2位『黄金狂時代』『カリガリ博士』『キートンの探偵学入門』『戦艦ポチョムキン』
6位『キッド』『ロイドの要心無用』
8位『イントレランス』『サンライズ』『雄呂血』


 自分のベストテンは
『大列車強盗』(03)エドウィン・S・ポーター 『20世紀の映画』から

『テスラ エジソンが恐れた天才』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/05eebded4cc99b7398a8398d4c5da7cd


『散り行く花』(19)D・W・グリフィス 『淀川長治の証言 20世紀映画のすべて』『20世紀の映画』から


『キッド』(21)チャールズ・チャップリン

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/8c8dd6d55c05c8cf215a5e11964c894b


『ロイドの要人無用』(23)ハル・ローチ、サム・テイラー他 『淀川長治の証言 20世紀映画のすべて』『20世紀の映画』から

 


『アイアン・ホース』(24)ジョン・フォード 『20世紀の映画』から

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/5e9750b4e75702c53e089d92691cbd8a


 

 

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【ほぼ週刊映画コラム】『ゴーストブック おばけずかん』

2022-07-22 07:01:05 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
全編が見事なまでに“山崎貴の世界”で構成された
『ゴーストブック おばけずかん』

詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1340720

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「金曜ロードショー」『ジュラシック・ワールド』

2022-07-22 06:28:34 | ブラウン管の映画館

『ジュラシック・ワールド』(15)

夏休みは恐竜とトムの一騎討ち!?
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/f3086e110eeda2a94ee6ec209af19544

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『リコリス・ピザ』

2022-07-21 14:51:39 | 新作映画を見てみた

『リコリス・ピザ』(2022.7.20.TOHOシネマズ錦糸町)

 ポール・トーマス・アンダーソン(通称P.T.A)監督が、1973年のアメリカ、サンフェルナンド・バレーを舞台に描いた青春物語。

 カメラアシスタントで25歳のアラナ(アラナ・ハイム)と高校生俳優のゲイリー(クーパー・ホフマン)の恋模様を描く。ハイムは姉妹バンドの一員、クーパーは、P.T.A映画の常連だったフィリップ・シーモア・ホフマンの息子だそうだ。

 他にショーン・ペン、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディらが出演。音楽は全てのP.T.A作品を担当しているレディオヘッドのジョニー・グリーンウッド。アカデミー賞で作品、監督、脚本の3部門にノミネートされた。

 P.T.Aの映画では、『インヒアレント・ヴァイス』(14)を見た際に、「登場人物は皆変人とくる。さすがにこれを2時間半近くも見せられると毒気に当てられたような気分になるが、見終わった後は妙に後を引く。この不思議な感覚こそがP.T.A映画の魅力なのか…」と書いた。

 この映画からも似たような印象を受けたが、決して見た目のよくない2人の煮え切らない恋模様の話で2時間以上も持たせてしまう不思議なパワーには恐れ入った。

 さて、この趣味趣味映画の落穂拾いをしてみよう。全編に73年の流行や音楽がちりばめられているのだが、当時、日本から憧れて見ていたアメリカと、実際のアメリカとではこんなに違ったのか…ということがよく分かった。

 そもそも、タイトルの「リコリス・ピザ」とは、アナログレコードを表すスラングなのだとか。これがまず分からなかった。で、主人公のゲイリーのモデルは実在のプロデューサーのゲイリー・ゴーツマンだという。

 ショーン・ペンが演じた俳優のジャック・ホールデンのモデルはウィリアム・ホールデンで、トム・ウェイツが演じた彼のなじみの監督のモデルはサム・ペキンパーか。2人が酔って叫ぶ「トコ=サンの橋」は、ホールデンが主演した『トコリの橋』(54)のこと。ホールデンはペキンパー監督の『ワイルドバンチ』(69)に出演しているから実際も旧知の間柄。これは分かった。

 川本三郎氏は、ペキンパーではなく、『トコリの橋』を監督したマーク・ロブソンだと書いている。どちらなのかP.T.Aに聞いてみたい。

 ブラッドリー・クーパーが怪演したジョン・ピータースはバーブラ・ストライサンド主演の『スター誕生』(76)のプロデューサー。で、クーパーは、レディ・ガガ主演の『アリー/スター誕生』(18)を監督し、出演もしたから、これは二重のパロディか。それにしても、いろいろと恥ずかしいこともバラされてバーブラは怒らなかったのだろうか。

 アラナがボランティアとして手伝う市長候補(ベニー・サフディ)の選挙事務所を見つめる謎の男のモデルは、『タクシードライバー』(76)のトラビス(ロバート・デ・ニーロ)だろう。

 で、ポール・マッカートニー&ウイングスのアルバム『バンド・オン・ザ・ラン』(73)から「レット・ミー・ロール・イット」が流れるが、最後に映る映画館の上映作品は、ポールが音楽を担当した『007/死ぬのは奴らだ』(73)とチャールズ・ブロンソン主演の『メカニック』(72)だった。

 他にもまだいろいろとあるだろう。こうしたディテールを見付けるのも、P.T.A映画の楽しみ方の一つではある。


『インヒアレント・ヴァイス』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7a141eba995e331d06829cb00347cc86

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「午後のロードショー」『クロコダイル・ダンディー』

2022-07-21 06:39:46 | ブラウン管の映画館

『クロコダイル・ダンディー』(86)

“オーストラリア版『スミス都へ行く』”
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/5fcfd0232fd8be32b2e8a56ba7c941bb

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