田中雄二の「映画の王様」

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ビデオ通話で西部劇談議『アイアン・ホース』と『大平原』

2020-11-01 16:54:21 | 駅馬車の会 西部劇Zoomミーティング

 今回のテーマは、大陸横断鉄道敷設を背景にしたジョン・フォードの『アイアン・ホース』(24)とセシル・B・デミルの『大平原』(39)


 エイブラハム・リンカーン大統領の指示のもと、東のオマハからユニオン・パシフィック鉄道が、西のサンタモニカからセントラル・パシフィック鉄道がそれぞれ線路を延長し、接続させる工事が行われ、1869年、ユタ州ソルトレークのプリモント・ポイントで、開通を祝う黄金の釘打ちが行われた。

 アメリカという国は、例えば、共和党と民主党、メジャーリーグのアメリカンリーグとナショナルリーグといったように、二大勢力を競わせるのが特徴の一つだが、ここでは二つが一つになるという珍しいケースが示される。

 どちらも、大スケールで、いろいろな要素を盛り込んだサービス満点の映画だが、どちらかと言えば、当時29歳のフォードが撮った『アイアン・ホース』の方に軍配が上がる。

 写真集を見ているような美しいモノクロ映像、激しいアクションシーンに目を見張り、およそ50年しかたっていない出来事を描いているため、まだ生々しさがあり、まるでドキュメンタリーを見ているような気にさせられるのだ。

 大陸横断鉄道の開通は、アメリカ史上の重要な出来事の一つだから、何度も映画化されていそうだが、意外にも、『大平原』のパロディのような『マルクス二挺拳銃』(40)、ジョージ・マーシャルが監督した『西部開拓史』(62)の第4話ぐらいしか思い浮かばない。 

 ほかに、鉄道の敷設を描いた映画に、ランドルフ・スコット主演の『サンタフェ』(51)、スターリング・ヘイドン主演の『カンサス大平原」(53)、セルジオ・レオーネ監督の『ウエスタン』(69)などがある。

『淀川長治の証言 20世紀映画のすべて』から。淀川先生は西部劇のベストテンの中にこの映画を入れていた。

『大平原』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7a15d755bc59a58c355065502568d90e


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