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映画の王様

映画のことなら何でも書く

山崎貴の映画『BALLAD 名もなき恋のうた』

2022-07-10 09:54:51 | 映画いろいろ

『BALLAD 名もなき恋のうた』(09)(2011.8.28.日曜洋画劇場)

夫 これは『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』(02)の実写版だね。あのアニメは、架空の戦国武将、井尻又兵衛(よくこんな名前を思い付いたなあ)としんのすけ一家との交流がちょっと切なく描かれていて、なかなかいい話だったなあ。アニメの「クレヨンしんちゃん」シリーズを監督してきた原恵一は、最近では『カラフル』(10)を監督して話題になっているね。

妻 まあ、監督さんのことはよく分かりませんが…。不覚にも号泣しちゃったあのアニメの実写版ね。実写になると興醒めするパターンは結構多いのに、これはそれほどでもなかったわ。しんのすけの実年齢や両親の職業などは原作とは違うけど、実写では思い切ってその設定を変えたのがよかったのかな。

夫 この映画で描かれるのは戦国時代へのタイムトラベルだけど、西部開拓時代にタイムトラベルをする『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』(90)の影響が大きいと感じたよ。

妻 それは自動車でタイムトラベルするところ? だったら『PART1・2』でもいいんじゃない? 時代の古さで『PART3』ってことでしょうか。

夫 そういうことです。タイムトラベルの仕方があまりにも安易だったり、戦国人が妙に現代的な言葉を話すなど結構適当なところもあるけど、火縄銃のリアルさやCGと合成した血の出ない合戦シーンなどはなかなか見応えがあったな。まあ、もともとタイムトラベルものは好きだから、どうしても点数が甘くなるのだけれど…。

妻 アラは数々あれど、それを追究する類の映画でもないし…。まあ、面白かったんじゃないでしょうか。又兵衛役の草なぎ剛は殺陣も頑張っていたしね。戦から戻った又兵衛を小走りに出迎える新垣結衣の走り方にはぐっときたわ。

夫 中村敦夫扮する領主が、「後の世ではわしらは影も形もないのか…ならば好きなように生きようぞ」みたいに語るセリフが印象に残った。『ALWAYS 三丁目の夕日』(05)もそうだけど、山崎貴という監督は、最新のCG技術をノスタルジックな世界の再現にうまく利用していると思うな。

(旧ブログ「お気楽映画談議」から)

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山崎貴の映画『リターナー』

2022-07-10 08:07:55 | 映画いろいろ

『リターナー』(02)(2011.9.18.DVD)

 2084年の地球は「ダグラ」と呼ばれる宇宙人に侵略され、人類は絶滅の危機にさらされていた。2002年に地球を侵略してきた最初のダグラを抹殺すべく、時を越えて少女ミリ(鈴木杏)がやって来る。彼女はプロの仕事人「リターナー」のミヤモト(金城武)と出会う。

夫 タイムトリップものが好きな知り合いから「山崎貴もこのころはまだ頑張っていた」と聞いたので見てみたんだよね。

妻 難しいことはよく分かりませんが、監督さんのことね。

夫 全体的には無国籍な香港アクションの雰囲気で主演は金城武。未来から来た相棒役が鈴木杏。この場合、金城の日本語が下手なのがかえって良かったのかな。岸谷五朗が『レオン』(94)のゲーリー・オールドマン的なチャイニーズマフィアの悪役を楽しそうに演じていたね。

妻 金城、鈴木、岸谷の三者が熱演すれどもすれども薄ーい感じ。でもその薄さがこの漫画チックな映画によく合っていました。

夫 まあ、『ターミネーター』(84)『E.T.』(82)のものまねと言われても仕方がないかな。ちょっと雑な作りが目立つという感じがしたなあ。ラストにタイムトリップものらしいひとひねりはあるんだけどね。

妻 ラストシーンの軽さが気に入りません。

(旧ブログ「お気楽映画談議」から)

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ジェームズ・カーンの映画 その7『フォー・ザ・ボーイズ』

2022-07-10 07:17:27 | 映画いろいろ

『フォー・ザ・ボーイズ』(91)(1992.4.23.日劇プラザ)

 第2次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争で、軍の慰問活動のトップスターとして活躍した男女エンターテイナー・コンビの波瀾万丈の人生を描く。

 ベット・ミドラー大熱演のミュージカル風大河ドラマだったが、2時間あまりで三つの戦争と赤狩りなどをまとめて描いているため、それぞれのエピソードごとにクライマックスはあるのだが、トータルで見ると焦点がぼやけてしまった感がある。マーク・ライデル監督が、いささか大風呂敷を広げ過ぎたような気がする。

 また、先日見た『バグジー』(91)のウォーレン・ベイティ同様、この映画のミドラーを見ていると、演じる側の役に対する思い込みが強過ぎると、自己満足としか映らないところがあるので、見る側はしらけて、勝手に酔ってなさいという感じになるところもある。

 ただ、この映画の捨て難いところは、大風呂敷の中に、アメリカのショービジネス界の歴史や舞台裏、コンビで活動する芸人たちの性(さが)を描き込んでいるところで、ミドラーとジェームズ・カーンによって演じられた「名コンビ、実はけんかの繰り返し」という図式が興味深く映った。

 例えば、劇中最も効果的に歌われた「イン・マイ・ライフ」を作った、史上最強の名コンビであるジョン・レノンとポール・マッカートニーにもこうした部分はあっただろうし、アカデミー賞などの授賞式での相棒を称える名スピーチも、実は台本があればこそなんだろうなあ、などと思った。

 ところで、これまた『バグジー』同様に、脇役たちが随分とこの映画を救っていた。久々のジョージ・シーガル、ノーマン・フェル、ドリ・ブレナー…。それにしても皆さん老けましたなあ。

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ジェームズ・カーンの映画 その6『ディック・トレイシー』

2022-07-10 00:12:06 | 映画いろいろ

『ディック・トレイシー』(90)(1992.7.13.)

スパッズ・スパルドーニ役

 チェスター・グールドの人気コミックを実写映画化。1930年代のアメリカのとある犯罪都市で、日夜悪と戦う神出鬼没の刑事ディック・トレイシーの活躍を描く。

 これまた『バグジー』(91)同様に、ウォーレン・ベイティの一人舞台映画だが、どちらかといえば、こちらの方に好感が持てた。何だか大の大人が寄り集まって、自分たちが子どもの頃から親しんできた漫画のキャラクターに成り切って遊んでいるような、無邪気さが感じられたからである。

 しかも、ビットリオ・ストラーロによる、いかにも人工的な、それでいて魅力的な、わざと原色をちりばめた絵柄もなかなか面白かった。『ロジャー・ラビット』(88)という先駆はあるものの、映画でなければ表現できない夢の世界を目の前に示してくれた気がした。

 こういうのが、とても日本ではまねができない、金の掛かったぜいたくなお遊びというやつで、ハリウッド映画の存在価値を嫌でも知らされることになる。ベイティのことはあまり好きではないのだが、見事な商売人であることだけは、素直に認めねばなるまい。

 しかも、今回は『俺たちに明日はない』(67)で共演し、今は忘れられたエステル・パーソンズとマイケル・J・ボラードを引っ張り出してきたものだから、意外と人情家なのかも…などと思わされてしまった。

 

 

 

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