『BALLAD 名もなき恋のうた』(09)(2011.8.28.日曜洋画劇場)
夫 これは『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』(02)の実写版だね。あのアニメは、架空の戦国武将、井尻又兵衛(よくこんな名前を思い付いたなあ)としんのすけ一家との交流がちょっと切なく描かれていて、なかなかいい話だったなあ。アニメの「クレヨンしんちゃん」シリーズを監督してきた原恵一は、最近では『カラフル』(10)を監督して話題になっているね。
妻 まあ、監督さんのことはよく分かりませんが…。不覚にも号泣しちゃったあのアニメの実写版ね。実写になると興醒めするパターンは結構多いのに、これはそれほどでもなかったわ。しんのすけの実年齢や両親の職業などは原作とは違うけど、実写では思い切ってその設定を変えたのがよかったのかな。
夫 この映画で描かれるのは戦国時代へのタイムトラベルだけど、西部開拓時代にタイムトラベルをする『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』(90)の影響が大きいと感じたよ。
妻 それは自動車でタイムトラベルするところ? だったら『PART1・2』でもいいんじゃない? 時代の古さで『PART3』ってことでしょうか。
夫 そういうことです。タイムトラベルの仕方があまりにも安易だったり、戦国人が妙に現代的な言葉を話すなど結構適当なところもあるけど、火縄銃のリアルさやCGと合成した血の出ない合戦シーンなどはなかなか見応えがあったな。まあ、もともとタイムトラベルものは好きだから、どうしても点数が甘くなるのだけれど…。
妻 アラは数々あれど、それを追究する類の映画でもないし…。まあ、面白かったんじゃないでしょうか。又兵衛役の草なぎ剛は殺陣も頑張っていたしね。戦から戻った又兵衛を小走りに出迎える新垣結衣の走り方にはぐっときたわ。
夫 中村敦夫扮する領主が、「後の世ではわしらは影も形もないのか…ならば好きなように生きようぞ」みたいに語るセリフが印象に残った。『ALWAYS 三丁目の夕日』(05)もそうだけど、山崎貴という監督は、最新のCG技術をノスタルジックな世界の再現にうまく利用していると思うな。
(旧ブログ「お気楽映画談議」から)